ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

グループ登山・・・「山を愛する」という事

2013年03月22日 22時21分48秒 | Weblog
厳冬期における本格的雪山登山シーズンが終わりを告げ、季節は既に残雪期の雪山登山へと移行し始めている。

今季の雪山登山は日数にして10日に過ぎなかったが、それなりに中身の濃いものとなった。
つらいことも多々あったが、良い意味で過去にない経験値を積んだと思える。
*自分の体質に合ったウェアとレイヤリングの発見。
*ギアの選択。
*行動食摂取の重要性。
*地図活用の徹底。
*アイゼン、ピッケルを用いての歩行術と滑落停止。
*雪中テント泊術。
*単独とグループとの違い。

夏山を中心とした3シーズンとは違い、雪山登山は仲間と一緒に登ることが多かった。
雪山は危険と考えられるケースが桁違いに多く、それだけグループでの登攀がベターとされる。
例えば・・・。
滑落などの万が一の時、仲間がすぐ救助にあたることができる。
また、救助が困難であっても、救助を求めるために下山し連絡することができる。
これが最大のメリットと言っても良いだろう。

そしてグループ登山においては「絶対的なルール」が存在する。
「仲間の誰かが怪我や体調不良により登攀困難となった場合は、全員が一緒に下山をする」ということだ。
(もちろんごく軽傷などであればその限りではないのだが・・・。)
大袈裟に言えば「安全第一。人命最優先」と言っても良い。
そんなことは当たり前のことのようだが、今回の赤岳登攀において、自分が当の本人になって初めて思い知らされたことだった。

いまでも思い返すことがつらい。
誰もが楽しみにしていた赤岳への登頂。
「ここまで来たのに・・・」
そんな思いは微塵も見せず、「また今度みんなでアタックしましょう!」
と笑顔で返ってきた言葉。
それがつらい・・・。

過去のグループ登山において自分がリーダーをしていた時、仲間の体調不良で全員一緒での下山を決断したことがあった。
だがそれは当然のことであり、何の悔いもなく即座に決めたことだった。

立場が変わって初めて知った「つらさ」だった。

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このブログに書き込みをしてくださっている「asagao007さん」のひと言が重く響いた。
「山を愛する事ってこう云う事なんですね」

何気ない言葉がズシリと来た。
自然や環境や道具、ルールやマナー等々ばかりに目を奪われがちであった自分に、グサリと突き刺さる言葉だった。

厳冬期雪山登山が終わる。
その最後に、最も大切で最も基本となることを教えていただいた。
心から感謝である。