ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

雨巻山 「山頂にて」

2024年07月02日 17時05分53秒 | Weblog
12時20分、ほぼ予定通りの時刻に雨巻山山頂に着いた。
往路に要した時間は2時間40分程。
途中の休憩やコンパスワークなどの時間を含めてもまずまずのコースタイムではなかろうか。


標高わずかに533m。
低山ではあるが、この辺りでは最も標高は高く、周囲の眺望は良い。

早速昼食の準備に取りかかろう。
いきなりの食事も良いが、先ずは何か温かい物を飲み、体内から身体を暖めたい。
こんな時はチャイに限るかな。
インスタントではあるが、お湯を注ぎ飲みながらでも準備はできる。
熱いカップを持てば、熱さがありがたくさへ感じるほど指は悴んでいた。


女房が作ってくれたおにぎりとカップスープ。
画像には写ってはいないが、デザートのロールケーキも手作りだ。

「寒いだろう?」
「身体は大丈夫だけど、手がね・・・」

おにぎりは保温ケースに入れ、ケース内で上下から使い捨てのカイロを当てできるだけ冷たくならないようにしておいた。
おかげでホッカホカとまではいかないが、温かいおにぎりを食べることができた。
これは嬉しい限りだ。
山頂には他にも数名の登山者がおり、使い捨てカイロの応用に「なるほどねぇ、今度自分たちもやってみますね」と言っていた。

食後の珈琲が美味い。
一年で最も寒い時期に、ましてや低山とはいえ山の上で飲むドリップ珈琲は贅沢な程に感じた。


山頂からの景色。
遠く茨城県の南東部が見渡せた。
関東平野の一部が一望できる素晴らしい風景だった。


後ろ姿で一枚。


指標ポイントでも一枚。

十分に休憩と食事を済ませ、下山開始。
だが、下山スタートの直後に里山ならではの洗礼を受ける羽目になった。


「岩の道」と「階段の道」とに分かれる分岐点。

「何これ? こんな分岐点なんてどの地図にも載ってなかったぞ・・・」

ここに来て道迷いは勘弁してほしい。
もう一度地図で確認するが、このような分岐点は存在していない。
事前にかなりネットでも調べたが無かった分岐点だ。
はてどうしたものかと立ち止まっていると、別のハイカーの方が「このすぐ先で合流しているから大丈夫ですよ」と教えてくれた。

自分は岩のコースで、女房は階段のコースで下りると、ほんの一分ほどでランデヴーした。
ちょっと苦笑いしたが、山では焦ってしまう。
御丁寧に指標まで立っているのであれば、地図にも分岐点は掲載されてしかるべきである。
駐車場にあった町の観光課で発行している地図にすら出ていなかった。
まぁすぐに合流はしたが、里山ならではのちょっとした出来事だった。

雨巻山 「 猪ころげ坂」

2024年06月25日 18時33分19秒 | Weblog
雨巻山へは大きく三つのルートがあり、今回の往路ルートは東ルートで登頂を目指し、下山は西ルートとした。
中央ルートもあるのだが、縦走中だけでなく休憩ポイントからの視界があまり良くないらしい。
どうせなら景色を眺めながらの方が楽しいだろう。

東ルートには通称「猪(しし)ころげ坂」と呼ばれている区間がある。
名前からしてもルート上で最も斜度の厳しい区間らしいことがわかる。
地図上ではもうすぐそこに着く予定だ。


僅かに残っている雪。
先日この辺り一帯でも降雪があった。
積雪はそれほどでもなかったが、低山とはいえ冬の山であることに他ならない証だ。

「さぁもうすぐ猪ころげ坂だよ。ちょっと厳しいかも知れにけど、ルートはジグザグになっているから大丈夫だと思う。」
とにかく女房にはあまり不安になってほしくない思いで一杯だった。
(「どうか山を、登山を嫌いにならないでほしい。」)
そんな思いだ。(笑)

休憩を一本取った。
休みながらも地図で現在地を確認する。
「大凡でいいから」と言って地図を渡し、現在地を指さしてもらった。
「おぉ~なかなかいいよ!」
正直言って驚いた。
かなり正確に現在地を指さすことができていた。(笑)


猪ころげ坂はこれから。
十分休んでほしい。

しばらく進むと雨巻山と思われるPEAKが見えてきた。
さっそく地形図とコンパスで確認した。
「コンパスでそんなことまで分かるの?」
と聞いてきたので、「やり方を知ってさへいれば特に難しくはないよ。画像を照らし合わせて山の名前を知ることができるアプリもあるけど、何でもかんでもデジタル頼りってのはどうかな・・・。」
それ以上は言わなかった。

これは自分が思っているだけの勝手な持論だが、アプリという便利なデジタル機能を有効活用することは良いことだと思う。
しかしアナログという不便で面倒な知識と技術を知らないままでいることの方がよほど恐い。
経験から言わせてもらえば、便利さと無知は表裏一体であると思っている。
それは登山に限ったことではないだろう。


赤い○印が雨巻山。
随分と遠くに見えるが、コースタイム的にはそれほどでもない。

さて、いよいよ猪ころげ坂手前まで来た。
女房が見上げて一言。
「うわぁ~ どうしよう・・・」
「大丈夫、今までよりも更にゆっくりとマイペースで登ればいいだけだから。」


本音を言えば全く大したことはなかった猪ころげ坂。(笑)


自分にしてみればごく普通の上り坂なのだが、女房にしてみれば感じ方は違うのだろう。
体力は人それぞれだし、それぞれに見合ったペースで登れば良い。
とにかく安全登山が一番だ。

ここを越えれば雨巻山山頂まで一息。(たぶん)

雨巻山 雪のない冬の山へ

2024年06月17日 20時34分30秒 | Weblog
長く山に登ってはいるが、冬期登山において雪のない山に登ったことは記憶にない。

今回、お手軽登山を始めた女房から「冬にも山に登ってみたい」と言われ、「おっ、遂に雪山に目覚めてくれたか?!」とちょっと嬉しかった。
しかし「雪は無理!」の一言ですんなり諦め、どこか積雪の無い日帰り低山はないものかと探した。
職場でよく日帰り登山をする人に聞いたところ、益子町にある「雨巻山はどうですか。お手頃ですよ♪」とのことで、即決定。
決めたのはよいが、お手頃とは言え自分は登ったことがない。
ましてや冬期に雪のない山に登るのも初めてのこと。
ある意味不安だった。

日帰りの低山、すなわち「里山」的な山の怖さを知っているからに他ならない。
初心者向けだから・・・というのはわかるが、里山には里山なりの怖さがあることを知っている人はむしろ少ないかも知れない。
今回もその怖さに遭遇してしまったが、このことについては後々綴ることにしたい。

不安はもう一つあった。
レイヤリング(服装)である。
雪の積もっていない冬の低山が初めてであり、頭の中では何となく「レイヤリングはこんなものだろう」と分かっているのだが、「帽子はどの程度のもの?」「手袋はどの程度のもの?」「ソックスは化繊じゃなくてウールがいいのかな?」と、多々迷うことがあった。
低山とはいえ、冬期に風が吹けば体感気温は氷点下に感じられるだろうし、今回は多少荷物が増えてもいいから予備の衣類と帽子・手袋、そして使い捨てのカイロを持って行くことにした。

雨巻山登山口までは、自宅から車で40分もあれば着く。
近いことは良いのだが、今は一月の終わり。
一年で最も寒さの厳しい時季であり、朝であれば吐く息も白く指も悴む。


雨巻山登山口駐車場。

驚いたことに自分の車以外のナンバーはすべて他県ナンバーだった。
この駐車場には、町で作成した登山地図があり、自分が持ってきた地図と併せて活用すれば心強いだろう。
だがこの地図、ハッキリ言って見づらい。
ちょっと簡略化され過ぎてしまっている。
ルートの途中途中に番号が記されており、自分がこの地図上の何処にいるのかが番号から読み取れるのだが、それでも標高、高低差、尾根、谷、コル、磁北線(西編角)など、自分が作った地図の方が遥かに読み取り易い。


ハッキリ言って寒い。
身体を動かして体内から暖まりたい。
いざスタート!

樹林帯、と言うより林の中を緩やかに登り始める。
足元だけでなく周囲の植物にも目をやるが、冬の山ってこんな感じだったのかなぁ・・・と、雪の積もっていない冬の山は新鮮だった。

「どう 寒くない?」と、一応気遣ってはいるが、まだ始まったばかり。
おそらくは寒いんだろうな・・・と思う。


自分が少し先に進み、時折振り返りながら女房の様子を見る。
吐く息の量や息切れの度合いなどに注意してはいるが、今のところペースはこのままで大丈夫そうだ。
気温が低い分吐く息が白いため、その量や呼吸頻度がよく分かる。

さて、今回は女房にも少しだけ地図の読み方をレクチャーすることになっていた。
「低山でもいいからいつかは一人で登ってみたい」という思いがあるらしく、それだったら地図読みの基本はマストだよとなった。
「アプリじゃダメなの?」と聞かれたが、両方あると心強いが最後はアナログの知識と経験が物を言うと思うと答えた。
それは決して憶測だけの答えではなく、自分の長い経験から出た答えだった。


途中の分岐点に差しかかった。
地図を読んでの現在地確認と、コンパスによるコース確認にはもってこいのポイントだ。
自宅で予めコンパスワークの基本を教えていたが、現場に来れば「本当にこれで合っているのだろうか・・・」という不安に駆られる。
もうこれは回数を稼ぎ慣れるしかないだろう。


自分でコンパスを用いて確認はしたのだが、「ねぇこっちだと思うけど、本当にいいの? 合ってる?」と何度も聞いてきた。
ちょっと笑いを堪えながら「そう思うなら自信を持って進んでみれば」と言うと「え~っ、だって・・・」
「今日は俺が一緒だからいいけど、一人になったら不安だということが分かっただろう」
意地悪をするつもりではなく、たとえ日帰り登山であっても単独で登ることが如何に多くの危険と不安を伴うものなのか。
それを知ってほしかった。

途中でこんなことを聞かれた。
「ねぇ、いつも一人で北アルプスとか雪山とか登ってるけど、道迷いってしたことはあるの?」
答えは当然「ある」なのだが、そう答えてしまうと次から出かけにくくなってしまうということが頭を過ぎった。(笑)
どれだけ事前の下調べと準備がしっかりとできているか。
どれだけ不安を取り除いた状態で登るか。
そうならないための知識と技術と経験が大切であることを言った。
自身の驕りと過信と確証性のない推測(正常性バイアス)が一番恐いことも言った。
そして、それでももしもの時はどうすべきかを知っておくこと、それを実行することが大切であることも言った。

なぁ~んて偉そうなごたくを並べてはみたが、何度同じルートで登っても不安が0になることはない。
ましてや雪山であれば尚更である。
「大丈夫! お母さんに心配はかけないように慎重に準備はしているから。」

雨巻山までまだまだだ。
マイペースでいいから頑張ろう!

久々の夫婦旅行 ②

2024年06月14日 20時24分41秒 | Weblog
ホテルのチェックインにはやや時間が早かった為、荷物だけをフロントに預けて外出することにした。

目的地は伊香保温泉の定番スポットである石段だ。
ホテルから歩いて約10分ほどで到着。
「なるほどこれがあの石段か。」
温泉観光地であれば何かしらの観光スポットがあってしかりだが、本音を言えば「まぁこんなものかな・・・」と思える程度だった。
それでも今回は数年ぶりに夫婦旅行に出かけることが第一の目的であり、女房とふたりで山以外にこれほど歩くのも久々だ。


石段の両サイドはおみやげ屋をはじめ、名物(?)のスィーツ屋等々温泉観光地ならどこにでもありそうな似たり寄ったりの店が並んでいた。


上から見下ろした石段。


せっかくなのでツーショット。

特に食べてみたいと思う物はなく、おみやげ屋にぶらりと入り伊香保温泉と書かれている入浴剤を購入した。
が、この入浴剤、家に帰ってからパッケージを見てみると製造元の住所は何故か京都だった。(笑)

ホテルはどうだったかと言うと、値段からしてみればこんな物だろう。
特に可もなく不可もなくであったが、お湯はさすがは名湯伊香保。
湯に柔らかさを感じた。

食事については観光温泉ホテルの定番で、一人用の鍋(すき焼き風)、おつくり、茶碗蒸しと言ったもので、これと言って目を見張るほどでもない。
しかし、いいお湯に入り浴衣姿で席に着き、冷えたビールに据え膳上げ膳。
「こんな感覚忘れてたなぁ・・・」
そう思えるひとときだった。

翌日も好天に恵まれ、部屋の窓からは雪を纏った谷川岳連峰が一望できた。
「もうすぐシーズンインだ。今年もあそこへ登るぞ!」
そんな独り言が出そうになった。


部屋から見える谷川岳周辺。

宿や食事については料金プランから言えばこんなものだろうが、日帰りではなく泊を伴う二人旅に出かけることが目的であった。
まぁ次回はもう少し食事にこだわってみたいと思うのだが(笑)。

久々の夫婦旅行 ①

2024年05月21日 20時01分46秒 | Weblog
女房と二人で旅行に出かけたのはもう10年ほど前のことになろうか・・・

今は夫婦二人だけの生活で、ある意味いたってお気軽な感じだ。
それほど山に興味がなかったかみさんだったが、いつしか一緒に日帰り登山に行くようにもなった。
ただ自分がいくら登山歴が長いとは言え、その殆どは北アルプスや八ヶ岳方面への泊を伴う、しかも重登山ばかり。
お手軽な日帰りの山はハッキリ言って多くは知らないし、登った経験も極端に少ない。
今になって調べ始めたというお粗末さだ。

さて、去年の秋くらいだったろうか、ふいに女房から「ねぇ一泊でいいから旅行に行ってみない? お互いの誕生月がちょうど半年空くし、年に二回くらいは行ってみない?」
と言ってきた。
ふと考えた。
二人で旅行に行ったのはほぼ10年前の北海道だった。
自分はと言えば年中登山で家を空けてばかり。
かみさんは友人と二人でたまに国内外の旅行。
言われてみれば二人で旅行など随分とご無沙汰してしまっていたなぁ・・・
なんか申し訳ないような思いになってしまった。
ほぼ即決のような形で出かけることだけを決めた。

泊まるにしても犬がいるし、ペットホテルは高いし、自動の餌やり機を活用するにしてもやはり一泊となるだろう。
時間や距離に限界はあるが、何処へ行こうかとあれこれ調べ始めた。
「まずはゆっくりゆったりと温泉かな」
互いに納得し、女房がまだ行ったことのない群馬県は伊香保温泉と決めた。
幸いかみさんの友人にトラベル関係の人がおり、宿の手配などの一切をお願いできた。

実を言えば、伊香保温泉は嘗て仕事(出張)で一度だけ行ったことがあった。
しかしあくまでも仕事であり、有名な石段を歩いたりなどの観光的なことはなかった。
今回はいろいろと見て回ることができそうかな。

12月上旬、車で一路伊香保方面へ出発。
初日は日本三大うどんで有名な「水沢うどん」を昼食に食べ、近くの水澤観音をお参りしてチェックイン。
水沢うどんは過去数回食べたことがあり、どの店に入っても味が大きく外れることはなかった。
一応ネットで調べ、人気No1の「大澤屋」に決めていた。

日曜日と言うこともあり、混雑が十分予想されることからやや早めに入店した。
これが大正解で、自分たちが入った直後から大勢の人たちが店の外で順番待ちをしていた。


水沢うどんの「大澤屋」

メニューは事前に調べており、天ぷらざるうどんを注文した。
うどんそのもののコシや歯応えなどはうどん好きの自分にとっては十分満足できるものだった。
強いて好みを言えば、讃岐うどんのような太麺が好きであり、もうほんの少し面が太ければ言うことなしだろうか。
揚げたての天ぷらも良い油を使っているなぁと思えた。
量的にはもっと食べたかったのだが、ホテルでの夕食時までとっておこう。


つけだれが二種あり、どちらを浸けても美味かった。

食後はすぐ近くにある「水澤観音」へと向かった。
紅葉はもう終わってしまっただろうと思っていたのだが、その思いは美しく裏切られた。
混雑がなかったこともあり、車を停めてすぐの石段の周りはまだまだ見事な朱色で染まっていた。


御朱印帳をお願いしている間にお参りを済ませたが、12月ともなれば標高の高いこの辺りは肌寒さを感じた。
ダウンジャケットを着て正解だ。


かみさんとのツーショット。
山頂では毎回撮るのくせして少しだけ照れる。