2年ほど前から構想を練っていた90歳になった自分の母の生涯を写真と映像で綴るビデオを完成した。シナリオを考えるのに1年はかかっていた。編集作業にとりかかるため思い腰をあげるのに時間がかかってしまった。ビデオ制作の素人である当方にとっては素材の収集と年代の確定など敷居が高く制作時間的にも技術的にも超大作となってしまった。
実際、何かのイベントのビデオ作品を後日制作しようと思っても素材をすべて見てからシナリオらしきものを固めるまで日が過ぎてしまうのである。最近はテレビの番組制作者のようなプロの方々の苦労がわかるようになった。ちなみに今回も母と自分の多数の写真アルバムから数1000枚?はある素材の選別から始めたわけだが、良かったのは一部バラバラになっていた写真の整理にもなった。
ところで昔から朝目覚めた時にいろいろ仕事のヒントを思いつくことが多かったがビデオ編集のシナリオ考案でも同じだ。シナリオの素材の分類方法や、あの場面にはこのような字幕を入れようとか、静止画の切り取り、ズームアップ手順、終了時の字幕であるエンドクレジットの方法、その他いろいろなことを朝にふと、思いつくのは不思議だ。
あと面倒だったのはBD-REにオーサリング(一番時間がかかる最終出力処理の工程)してできた作品を最初から入念に視聴したら、挿入した字幕の文章に親族の名前のちょっとした漢字の間違いや、年代が1年間違っているのを見つけるとまた編集とオーサリングのやり直しをする。結局3回ほど作り直したが、一旦複製までしたBD-R4枚を捨てることもあった。もったいない!
今回作成したビデオは母の葬儀にも使うことを最初から考えていた。たぶん無宗教式の家族葬でやると決めているので近親者だけのささやかな式だが、生前の母の苦労を参列者がいっしょに回想するのに薄型テレビで映像を見るのがよいと思ったからである。
母はまだ健在なのでいつ葬儀になるかわからないが現在より過去の歴史は変わらないので5年後でも使える。もちろん母にも先日試作品を見てもらって承諾してもらった。母もこの作品を喜んでいたので一安心。
以下は制作したビデオの仕様である。(防備録)
●標 題:○○の生涯 ブルーレイビデオ
●形 式:BD-R 31分
●BGM :クラシック音楽から3曲
●使用素材とオブジェクト数:
静止画 → 大半は古い写真をスキャンして補正したものである。 156枚
動画 → ビデオ映像は最近のものしかない。 26クリップ
字幕等 → 147クリップ
合計数 → 329 オブジェクト
●出力時間:レンダリングと書き出しで約2時間
●使用ソフト:SONY Vegas Movie Studio Platinum HD 10
●使用PC:Windows7 intel CPU core i5(2009年秋モデル)
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