憩いの森

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熟年おじさんが裁縫に挑戦開始?

2011-05-04 22:47:39 | 衣食住
 ずっと以前からちょっとした衣類の補修にミシンが欲しいと思っていたが、仕事も多忙だった時代は購入するなんて妻ともども考えていなかった。しかし、最近は年金暮らしに入って暇になったこともあって、ついに妻に内緒で安いミシンを調達してしまった。

 ただ、事前によく調べたところ、1万円程度のあまりに安いミシンは最低限の機能すら省略されていてむしろ困ることがわかったのである程度の機能を持った製品で2万円までの範囲で捜してみた。

 まず、中古ミシンという手もあるが、専門業者の説明では機械部品の摩耗や電子回路の痛みなど、補修の点で問題があることがわかってきたのでやめて新品で調達することにした。むろん、超格安ならダメもとで中古品を選ぶこともよいが、その場合は実物の動きを見て確認しないと不安である。

 最低限欲しい機能は次のようなものだろう。

・自動糸通し機能
・手元ライト(LEDライト)
・ゆっくりスタート(本当は70針/分・程度の超低速縫いができるとよいのだが電子制御ミシンでないと難しいようだ。)
・縫い目長さ調節機能(ダイヤルで変える場合は直線縫いでもジグザグ縫いでも5段階くらい欲しい)
・まつり縫い、ボタンホール縫い(手動でも可)
・デニム8枚が縫えるパワー
・筒ものが縫えるフリーアーム機構
・6-8枚送り歯
・水平釜

 結局、ジャガー製の格安家庭用ミシンを選んだ。価格は通販店「Myミシン」で14,800円(キティちゃんメジャーと44本糸付、送料込)だった。この機種は他の通販店でも扱っているが価格は同じだった。

 このミシンはゆっくりスタートや6-8枚送り歯はないが、この価格帯では珍しい縫い目長さ調節機能がついているのが気に入った。

 あと、このミシンは珍しく水平釜ではなく、職業用ミシンと同く垂直釜を使っている。これは下糸のボビンを垂直釜に装填してやる形式で昔の家庭用ミシンでは当たり前だった。しかし、近年は下糸の残量が上から見える水平釜が多い。

 でもメーカーの説明によると垂直釜の方が下糸の張り具合を正確に調節できて縫い目も美しくなるそうだ。むろんコンピューター制御のミシンでは自動糸調子調節機能を付けて水平釜でも糸調子をちゃんとできる。しかし格安ミシンは上糸だけで張り具合を調節するしかないようだ。垂直釜の長所短所がはたしてどの程度のものなのか、これから使っていけばわかるだろう。
 
 その他、ミシン価格以上の補助用品も購入した。最初はあまり補助用品に金をかけるつもりがなかったがいろいろ調べているうちに変わってしまった!

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 5月1日にミシンが届いたので早速、端切れで縫う練習をした後、以前からやりたいと思っていた準備していた作業を順に済ませていった。以下はこの連休中にミシンを使った挑戦作業である。


●掛け布団カバーの穴あきの補修

 半年も前から気づいていた穴あき箇所だったが、手縫いは面倒だしうまくできそうもなかったので放っておいたが、穴が大きくなりそうなのでついに修理することにした。接着芯を切って表と裏の両側に貼り、ジグザグ縫いで補修した。まだ汚れはひどくはなく、新品と交換するにはもったいないので! これはうまくできた。

●敷き布団用の補助シーツの加工とほつれ修理

 自分が汗かきなのでいつも体の背中の部分だけが痛んでしまうシーツを保護するために前面シーツの上に別の古いシーツを2つ折りして敷いて使っているが、毎回寝るたびに2つ折りの端を合わせるのが面倒なので今回、ミシンで縫ってしまった。これは手縫いではとてもできない仕事であった。

 ここで初めて本格的に直線縫いに挑戦したがやはり柔らかいシーツ素材をまっすぐに縫うことの難しさを体験した。布を送る両手のさばき方が重要で、うっかり片手になると低速運転でもすぐに曲がってしまう。

 これは格安ミシンのため送り歯が4本しかなく特に中央の2本の送り歯は針の向こう側にしかないため布が真っ直ぐに送りにくい。それに比べて幅広い押さえがあり、6~8枚歯を装備する高級ミシンでは中央の歯が小さいながらも手前側にもあるので布をしっかり挟んで送ってくれる。

 格安ミシンはそれだけ布を押さえて送る両手の上手さが求められるようだ。つまり、初心者は格安ミシンを使うかぎり直線を綺麗に縫うことが難しいのである。

●敷き布団カバー(新品)の寸法直し。
 これが今回ミシン購入のきっかけにもなった。何か月も前に買った敷き布団カバーの寸法が馬鹿なことに200mmも大きかったのである。それで正しい寸法のカバーをまた買って使っていたが、何とか最初に間違って買ったカバーの寸法を縮めて使えるようにできないかと思っていた。

 今回はミシン購入でやっとそれができた。直線だけの加工なので楽であった。カバーを裏返してアイロンでしわを伸ばし、ロールカッターで慎重に195mm切断し、直線縫いと点線ジグザグ縫いによる5mmの縁かがりをして無事完了した。
 
●綿ズボンの裾上げ

 すでに裾上げテープで接着して使っていたのだが洗濯のたびに剥がれてきて足をつっこむと剥がしてしまうので面倒だったがミシンでちゃんと固定した。これでもう剥がれの心配はない。

●冬物パジャマの襟近くにボタンホールを追加

 これも以前からやりたかった作業である。ボタンホール機能のテストも兼ねる。しかし、半自動で行う工程は寸法合わせが意外と難しい。これはコンピュータミシンの自動ボタンホール縫いが欲しいところだ。ただし、既製品の補修が中心であればこの機能の出番はあまりないだろうが・・・

●体重計カバーの作成

 現行はタオルハンカチをかぶせていたが、寸法を少し体重計に合わせて使いやすくした。このような作業にはミシンは大変重宝する。

●最後の難関、血圧計カバーの作成

 これもタオルハンカチをカバー代わりに使っていたが、固定できないのでちゃんとしたものを作りたかった。今回は型紙を作ってフェルトで作成してみたが、素材がダメ、それに前から後ろまで一気につなげて縫う設計にしたため後ろ側終端が左右で何と15mmもずれた!

 これはあまりにもひどいズレようだ。カーブをうまく縫えないので左右の合わせの位置がどんどんずれてゆきフェルトはあまり伸びていないのに極端によじれてしまった。まず前面と右面の合わせ、前面と左面の合わせを同じ前面下側から端を半分ずつ縫ったのだが、型紙は正確に作ったつもりでも縫うときに2-3mmづつずれていったようだ。これはずれないような縫い方を考えて型紙の設計をしないといけないのかもしれない。

 まあ、5/1から始めた裁縫の超初心者なので無理もないが、洋裁の専門家がみたら大いに笑えるものだろう! これに関しては型紙設計と生地布と縫い手順を変えて再挑戦してみたい。


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○↓購入したミシン(表側)ジャガー電動ミシン「ハローキティ・コンパクトミシン」
初代キティちゃんのイラストが印刷されている。60代後半のおじさんには無用のものだが、でもたしかに可愛い! (画像をクリックすると拡大)



○↓購入したミシン(裏側) 重さは軽くて4kg台で片手でひょいと持てるのだ。(画像をクリックすると拡大)



○↓おまけについてきたキティちゃんのメジャー


○↓買い揃えたミシンを使うための補助グッズ
 実はこちらの方がミシン本体より費用がかかった。一番高価なのはロールカッターを使うための緑色の透明マットで¥6,500、事務机の上に敷くマットの大型版といったところで寸法は60mm×90mmで厚みも6mmはある。まあ、裁ちばさみで切ればいいのだが特にカーブする線を切るにはとても良かった。(画像をクリックすると拡大)



○↓今回、無謀にもカバー作成に挑戦しようとした血圧計
 

○↓奮闘のすえ、完成したフェルト製カバー
 裏返し状態だが、布がよじれてひどい出来栄えだ!もともと、血圧計の形が特殊でななめカーブが多いためうまく縫えない。直線縫いさえ満足にできないおじさんが曲線縫いをやるのだからどうなるか!


○↓作品を血圧計にかぶせたところ
 表に返した状態だが、歪みがよくわかる。加工しにくいフェルトを使ったのがそもそも間違いで裏側では布合わせが15mm以上ずれてしまったのだ!!


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 せっかく購入したミシンだ。これからできるだけ利用してゆく方法を考えてゆくつもりである。そして、洋裁の仕組みのからくりを研究してみる。縫製する順番や裏返しの順番など、簡単なものでも素人のおじさんにとってはよくみると不思議なのである。あらかじめちゃんと設計図を作り、型紙を作り、手順も作るという工程は裁縫の世界もわたしが歩んできたコンピューターのシステム設計と似た面があると感じている。