裏千家 今日庵1 大玄関 抛筌齋（西陣散策15）

ー

写真は、兜門

今日庵（こんにちあん）は、茶道三千家の1つ裏千家の家元邸内にあるお茶室です。

一般での拝観は不可です。

今回は2012年9/21のNHKカルチャー”茶室探訪～茶の湯空間の美～”の講座での模様です。

また2025/7/12のNHKカルチャー”茶室のきまり”の講座で再び訪問しました。

場所は堀川今出川のさらに北、堀川寺之内を寺之内通に右折します。

宝鏡寺の前を通過し、最初の左折路を左折して小川通を進みます。

表千家　不審菴を右手に通過し、左手に本法寺の楼門が見える右手に写真の今日庵の兜門があります。

拝観

正面の兜門から中に入ります。

右斜めに真っ直ぐ続く石畳のある露地庭園を歩くと、突き当りに大玄関があります。

一見3つの入口があり、1番右は貴人口、中央は通常の客用、1番左は家人用です。

貴人口と通常の客用の玄関の間は、柱から襖まで全てが取り外せて、1つの大きな玄関になります。

貴人が輿に乗って来られても、そのまま輿から内部に入れるようになっています

そして何気に貴人口と通常の客用の天井は、竹の船底天井（三角屋根のような状態）で風流です。

玄関から廊下を奥に進んだ最初の右手に、無色軒があります。

通常は最初に通されるお茶室です。

ここには大工が使った釘箱を棚に設えた“釘箱棚”があります。

庭には外腰掛が見えます。

さらに船底天井の廊下を進むと、廊下のような茶室 溜精軒（りゅせいけん）になります。

大晦日の除夜釜はこちらでされるそうです。

この右手に寒雲亭があります（詳細後述）。

さらに奥に進むと十字路になります。

右手に又隠と今日庵、正面奥が御祖堂、左手奥が咄々斎、左手には大水屋と4畳半の三猿舎を経て抛筌齋（ほうせんさい）があります。

抛筌齋は部屋全体が1段高くなっています。

12畳なので大きめのお茶室です。

床の間前の2畳だけが畳の縁がきれいな色と模様になっています。

これを高麗縁（こうらいぶち）といい、これでさりげなく貴人座を示しています。

また床の間の鴨居（落とし掛け）が上座から順に低くなっているのも同様の効果を果たしています。

すべてのお部屋の襖がそうなのですが、引手が3つの石を散りばめた”への字”のような意匠で、これがまた風流です。

そしてお庭には非常に大きな臥龍の松が横たわっています。

また抛筌齋の奥には8畳の槍の間があります。

その名の通り、槍を掛ける棚があります。

本来はこちら側から入り、お付きの方の待合になっていました。

今はお稽古できるように土間の2畳も内に取り込んで8畳になっています。

西陣散策16へ

洛中の索引へ

「京都のおすすめ」の総合索引へ