沖縄の魔除けとまじない その①

2007年10月14日 00時05分17秒 | 沖縄現地情報
沖縄では昔から、「ヤナカジ・シタナカジ」(悪風・よごれた風)が屋敷内に入り込む事を極度に恐れました。
ひとたび「ヤナカジ・シタナカジ」が屋敷内に入り込むと、屋敷は荒れ、家族の健康は冒され、円満な家庭生活はたちまちのうちに損なわれてしまう。
いつ何時、屋敷の中に入り込むか分からない「ヤナカジ・シタナカジ」の屋敷への侵入を防ぐために、沖縄の人々は色んな工夫(まじない)をしてきました。沖縄では、そうしたものを「ムンヌキムン」と称しています。

T字路の突き当りや道の曲がり角に建っている家では、直進してくる悪霊・悪鬼・妖怪が境界を越えて屋敷に侵入してくるのを防ぐために「石敢當(いしがんとう)」を立てました。

万が一にも、門の中までこれらの悪霊が入って来ても家の中まで入り込めないように「ヒンプン」を立てました。

村の要所や家の屋根には、「ヤナカジゲーシ」(悪風返し)あるいは「ヒーゲーシ」(火返し・火伏せ)として「シーサー」(獅子像)を据えました。
 
屋敷囲いの塀、四隅、門、玄関には「貝や珊瑚」を置きました。貝は、悪霊の侵入を拒む魔除けの効果があると信じられてきました。

屋敷の四隅、門の左右には、屋敷の中に邪悪な物が侵入するのを防ぐために「フーフダ」(符札)を張り付けました。

沖縄では、一般に十字に組み合わせたものを「アザカ」と言い、それに特別な呪力を認める考えがあります。ススキと桑の木で十字の形に結んだ「ゲーン」はもっとも便利な魔よけとして用いられました。その小型「サン」は、煮物や重箱料理を戸外に持ち出す時に、その上に載せて邪気が付かないようにしました。また、死霊が屋敷内に入るのを防ぐために「サン」を門に置いたり、葬式の時墓内を浄めるために「ゲーン」を用いました。

このように、沖縄の人は目に見えない力によって、自分達を守護してくれると信じて来た神々へ、深い祈りを捧げて生きてきました。
観光客が歩く、観光地や都心では、見る事は少なくなりましたが、一歩路地を入れば、那覇市内でも上記のような、お祈りや魔除けを生活の場で見る事が出来ます。


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