映画『夕凪の街桜の国』を観ました。

2007年12月22日 02時19分07秒 | 沖縄現地情報

この映画の原作は、平成16年度文化庁メディア芸術祭アンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞したマンガです。作者は、1968年広島生まれの「こうの史代」さんです。私は、賞を取った時知りました。早速、購入して、柔らかいタッチの絵と静かに流れるストーリの中に、しっかりとした戦争批判があり、感激して周りの人に薦めた記憶がある。

この度、「佐々部清」監督で映画化が進んでいるとは聞いていたが、沖縄にはいつ来るのだろうかと、思っていたが、那覇市久茂地の「リュウボウホール」で12月19日~25日まで上映がある事を知り前売り券を購入して、20日に観賞しました。
ストーリは、ここでは書きませんが漫画では、戦後13年目と現在(映画では平成19年)の繋がりが、解りにくい面があったが、映画では役者(麻生久美子と田中麗奈)が異なる事で解り易く創られていました。
各役者の抑えめの演技は、原作の雰囲気を上手く伝えてあり、好感が持てました。

麻生久美子が演じた「皆実」が死ぬ間際の「なぁ、うれしい?13年も経ったけど、原爆を落とした人は私を見て『やったぁ、また一人殺せた!』って、ちゃんと思ぅてくれとる?」という言葉は、ずっしりと心に入ってきます。
今年の映画における最高のセリフだと思います。
一人の戦後生まれの漫画家と、今、一番力のある監督が、新しい名作を誕生させました。

※佐々部清監督は、1958年下関生まれ、「チルソクの夏」「陽はまた昇る」「半落ち」「カーテンコール」「四日間の奇跡」「出口のない海」など、完成度の高い作品を創り出す実力派です。


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