▲<最初の映像は、5人の糸満の女達が魚を頭に載せて、こちらに向かって歩いてくる。挿入の太鼓の音に合ったリズミカルな動きは、観客の笑いを誘ってた。>
さる12月12日、糸満市立中央図書館で復帰前のドキメンタリー映画「糸満の女」が上映されると聞き、早速妻と観に行ってきました。
上映会は、糸満市真栄里「ロンドン杜公園」の一角にある新しい図書館の多目的室で行われました。
一日に2回上映だったのが、3回の拡大上映になっていました。
私達は、一回目だったのですが、約百人の椅子席は満席で、通路に座って約150名以上で観ました。
この作品は、1968年に撮影され、一度テレビで放映されただけで、長い間お蔵入りしていたものです。カラー(全編モノクロに観えた)、27分間の記録フィィルム映画です。
監督の野村岳也氏曰く、制作スタッフと「男は海へ、女は畑へ」「男は魚を獲り、女はそれを売る」そんなシンプルな暮らしを探し求めて糸満で撮影をしたそうです。
▲<41年前の糸満漁港の荷揚げの風景>
「糸満は、山側の土地は大きな墓地で占められ、後は、海。それ以外は何もない・・・」、「那覇で食いはぐれた人間が、糸満に流れて来た。海で生きるしか方法は無かった・・・」など、ナレーションは、現在にそぐわない表現がところどころに出てくる(実際に映像を見ている糸満市民もケラケラと笑っていた)。
ドキメンタリーの作品なのに、監督の独断と偏見がところどころに出てくる。しかし、映像はまぎれもなく1986年の糸満の姿をリアルに記録している。
▲<当時の「サバニ」海燕社のHPより>
監督曰く、「糸満の女」というタイトルから、元気いっぱいの若く美しい糸満の女性が登場すると思われるかもしれないが、残念ながらその期待には応える事は出来ない(誠に、出てくるのは、元気な中年女性ばかりである)。
インタービューに応える糸満の女のコメントが面白い。
「男は、小さなサバニを操り台湾や東南アジアまで漁に出る勇気ある者達です。しかし、陸に上がるとまな板上の魚のように大人しい」「お金を渡すと、まったく駄目だから一切渡さない。欲しい金額だけその都度渡す。子供の時から、そうして母親から育ってられている。お金はすべて女が握っていいる」「糸満の女は、頭に60kgの魚を載せ、3里歩いて那覇まで売りに行った」・・・等々。
▲<魚を量り売りしている糸満の女。>
映像は、41年前の糸満であり沖縄である。
「糸満の祭り」「門中の葬式(亀甲墓の中の埋葬)」「漁港の風景」など、当時の人々の生活を撮影した、貴重な記録映像のオンパレードだった。
▲<亀甲墓で祈る糸満の女>
※映像・文章は、当日会場で配布された、案内文から転用しました。
野村岳也監督&海燕社のHPを合わせてご覧ください。
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