映画「カラカラ」

2013年01月22日 09時30分00秒 | 沖縄の生活

▲<那覇市内久茂地交差点から少し入った所にある「松山公園」での撮影が美しい>

先週から、「映画カラカラ」が、全国ロードショー中です。オール沖縄ロケのカナダ映画で、2012年モントリオール世界映画祭で、「世界に開かれた視点賞」「観客賞」をダブル受賞作品。監督・脚本は、クロード・ガニオン、主演は、ピエール(ガブリエル・アルカン)、純子(工藤夕貴)。

ピエールは、気功の合宿で沖縄を訪問し、あと一週間気ままな旅をするつもり。たまたま、主婦の純子に出会い意気投合する。


▲<壷屋を訪れた時に「酒器カラカラ」を説明している>

しかし、純子が夫からDVにあって家出し、ピエールのホテルに逃げて来る。

親友を亡くし、生きる意欲を失いかけているピエールと、夫婦生活に悩んでいる二人が、新たな自分探しの旅に出る。

那覇市内の街を外国の監督が撮影した映画を那覇市内の劇場で観て不思議な感じ。中に出て来る「伊是名島」や「今帰仁城」や「大宜味村」の美しい風景が、若い人には沖縄の観光地として、中高年には疲れた心を癒してくれる。


▲<地元映像作家の宮平貴子がプロデューサーを担当してロケ地を選んでいる>


▲<「伊平屋島」の樹齢500年余の念頭平松の特別撮影>

特に凄いのは、大宜味村喜如嘉の「芭蕉布工房」での撮影。芭蕉布の伐採時の音や、手仕事を観る事が出来き、芭蕉布製作工程が克明に見る事が出来る。その上、92歳の人間国宝平良敏子さんが実際に仕事をしている姿があり、貴重な記録フイルムにもなっている。


▲<人間国宝の平良敏子さんご健在!>

沖縄の文化や風景を丁寧に織り込んだ、この作品は、旅先で偶然に出会った初老の男と疲れた中年女の恋物語にしなかった点がこの映画を深い作品にした。



※映画の題名にもなっている「カラカラ」は、泡盛を入れる酒器で、中に陶器の破片が入っていて振ると「カラカラ」と音を立てる。