▲<「新潮文庫」平成24年9月1日発行>
年末に、新刊本を3冊買って正月に入った。「焼き餃子と名画座」、「関西弁超訳論語」、「普天間交渉秘録」。「関西弁超訳論語」は、1時間で読んだ。「焼き餃子と名画座」は、表題のカ所だけ読んだ。「普天間交渉秘録」は、473ページのボリュームだったので、読み切るまで年明けの5日までかかった。
▲<表紙の「帯」に首相のコメント!小泉首相時代の生々しいドキメントだ>
鳩山首相の発言で大きくクローズアップされたように思える「普天間飛行場移転問題」は、自民党の時代からも迷走をし続けていた。
防衛省の事務次官であり、守屋武昌氏の17年に及ぶ沖縄での仕事の過程を克明に記録した日記をもとに、「普天間問題」が、なぜ今も混迷を続けているのかを示す一番的確な人物である(あくまでも本人の一方的な記載だが)。
特に、歴代防衛大臣との軋轢や、沖縄に暗躍する代議士と歴代沖縄県知事および名護市長。そして、沖縄の建設業者などが蠢き百鬼繚乱の様子を克明に記している。
移転候補地である「辺野古」を反対している名護市や沖縄県がなぜ滑走路少しでも海側に移動させるのか?なぜ長引かせようとするのか?なぜ、守屋武昌氏がこれほどまでに歴代防衛大臣や沖縄県知事から嫌われたのか?
守屋氏側からではあるが、「事実は小説よりも奇なり」というありきたりな言葉を超え、今起こっている政治を克明に見せてくれた本だった。
※守屋武昌氏は、防衛省官僚(防衛庁事務次官)で、普天間基地代替え移転問題の解決に尽力してきたが、その一方で在職中の収賄によって有罪判決を受けた。