「神々の深き欲望」を30年振りに観ました。

2009年07月01日 00時05分00秒 | 沖縄現地情報

6月29日、那覇の「桜坂劇場」で上映された、今村昌平監督の「神々の深み欲望」を観に行きました。
1968年の作品で、キネマ旬報ベストテン一位の作品ですが、ロードショウでは観ていない。

約30年前に、劇場で観たはずだが、ストーリーは、ほとんど覚えていないし、内容も理解出来なかった記憶がある。
今回、沖縄に2年住んでから観た事で、ずいぶん内容が理解出来るようになっていた。

琉球信仰である、「ノロ」「御嶽(ウタキ)」「井泉」「浜でのお祈り」「ノロを操る権力者」「御嶽に入った工事を村人が妨害する」等々、現在もしっかり引き継がれている、沖縄の風習と信仰深い生き方をずいぶん研究して表現されていた(地域住民の心情を逆なでしている表現も今村監督の製作意図か?)。
この作品を撮影した時は、まだ日本に復帰する5年以上前である事に驚くとともに、「観光開発問題」も、当時から現在まで繋がるテーマを取り上げた事に、社会派今村監督の先見性を評価する。
ロケ地も、内容が内容だけに特定出来ないように、先島の各地が散らばらせて出ている(具体的な地域名は出ていない)。
石垣島、南大東島、波照間島、などがロケ地のようだが、与那国島の「クブラバリ」と思える場所も出ていた。
3時間の長い映画だったが、各俳優の圧倒的演技力とパワーで、グイグイ引き込まれて最後まで引き込まれて観た(沖山秀子の演技は秀逸)。
でも、最後のシーンに出てくる「アンガマ」の面の使い方は、賛同できない。