2012.4.23(月)晴
水生植物の根に沈殿した水酸化鉄が鉄バクテリアの自己増殖によって固い外殻を形成し、褐鉄鉱の団塊となったスズ、また海中で同様に生成されただろう鳴石から日本の初期の製鉄がなされたであろうという説は奇抜ではあるが画期的な発見であると思う。しかしながらその説が歴史や金属の学界で認められているという感触はない。その理由は何なのだろうと考えたとき、前述の著者の略歴を簡記した次第である。古代の鉄を語るときその著者に考古学者や金属関連の学者はあまりに少ないのである。もちろん学術論文などを探ればそうでないのかもしれないが、一般的な著作物についてはそういうことが言えよう。わたしは学界のことなど解らないのだが、専門外のいわゆる門外漢の説が認められるのは極まれなことなのではないだろうか。
高師小僧
そしてもうひとつ上記提唱者の真弓氏にしても山本氏にしても素晴らしい説を報告しながらも自らが実験していないことである。真弓氏はスズが弥生時代の鉄の原料であることを断言しながらも、その間接的な証拠として祭祀や祭神を語るばかりである。専門がその分野だから致し方ないとしても、スズ、高師小僧から鉄を造る実験はそう難しくはないと思う。
山本氏はもう少し科学的に鳴石や鉄滓などの分析などもしておられるが、直接鉄を造る実験はしておられないようだ。
壺石(岐阜県)鳴石と同様のものである。
問題は原料である。スズや鳴石が砂鉄のように簡単に集められるもので無いことは確かだろう。しかし当時造成現場などからごろごろ出たという話も聞くし、何も実際に造っていたと思われる量を造る必要はないだろう。要は製鉄が可能か否かと言うことだけなのだ。実験装置にしたって野たたらそのものを造らなくても、条件に合った現在の機器を使えば良いことだと思う。
両氏が自説を発表した際に、すんなり学界に認められるとは思っておられないだろうからこそ製鉄実験をして欲しかったと思うのである。これが文系と理系のスタンスの違いなのだろうか。つづく
【作業日誌 4/23】
予告看板修理
夏野菜用畑作り
今日のじょん:体調が良くなってきたら、きょーとギンコウをするようになってきた。ピンクの枕を連獅子よろしく振り回すのだが、夜景手ぶれ防止モードで撮ったら枕が見えないほどのスピードだ。
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