晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

穴虫考(104) 瓢箪から駒-4 8/28

2014-08-29 | 地名・山名考

2014.8.28(木)曇り

 もし仮に穴虫が火葬地を表すとしたら、穴虫地名は火葬地帯にのみ存在するはずだ。我が国ではかつて土葬が主流であった、ところが火葬を行っている地域が幾つかあって、「葬制の起源」(大林太良著昭和40年初版)に次のように書かれている。
 
日本では火葬は、現在は都市と真宗地帯に主として行われている。そしてだんだん増加する傾向にある。火葬はそのほか秋田、山形両県の境の海岸部にひとかたまり、新潟県では佐渡の対岸から富山県まで、富山県と石川県の大部分と琵琶湖の周辺、島根県の山間部から山口県の大部分、四国の大部分、北九州は佐賀県に少々ある。真宗地帯でも長崎県の西彼杵半島や島原半島、鹿児島県の甑島(こしきじま)などは火葬でなくて土葬である。

 この分布がどのように調査されたものかは書かれていないが、昭和の前半の火葬の分布とみていいのだろう。意外と多くの地域で火葬が行われていたことになる。このような分布になる理由も知りたいところだが、今は目的が違う。穴虫地名のある所がこれらの場所と一致すれば、穴虫が火葬地を表すという可能性は確実になるわけだ。それにしても対象が多すぎるが、近畿以外で穴虫地名があるのを知っているのは石川県加賀市大聖寺と岡山県備前市日生町(ひなせちょう)のみなのである。それは現地訪問が可能な近隣県だけでも数多くあって、それ以外まで調べていなかったからである。
 この二ヶ所を調べると、前者は穴虫(現在は町名変更している)のそばに真宗の寺院があり、後者は穴虫の位置が確認出来ないのだが、町内には真宗寺院しか存在しない。
 訪問済みの穴虫について調べてみると、亀岡市千代川、高島町マキノ西浜、草津市馬場町、香芝市などが真宗寺院の直近に存在する。特に草津市馬場町などは穴虫を探すため、願信寺(真宗大谷派)を最初に訪れていた。
 香芝市穴虫も、穴虫東、西に安遊寺、真善寺があり、いずれも真宗大谷派の寺院なのである。古代にはついていなかったと思われるゴボ山の地名が、実は吉崎御坊などのゴボウから来ているのかと考えると納得できる。
P1030209
 


この上部がゴボ山で威奈大村骨蔵器が発見されたとされるところである。
Img_0176


吉崎御坊跡を越えると石川県に入る、真宗の最も盛んな地域である。(2006.8.9)
 穴虫と真宗寺院の位置関係からすると、火葬地説はほぼ間違いないと考える。
 まさかと思った火葬地説が信憑性を帯びてきたことは、まさに瓢箪から駒の感がある。

【今日のじょん】ネッシーがねつ造だというのは証明されたと思っていたのだが、またぞろ目撃情報などが流れているという。写真は上林川のカッシーで全長は6mぐらいか。P1030650 P1030651

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