晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 青森県地名の謎 1/3

2012-01-04 | 雨読

2012.1.3(火)

 津軽共和国文庫という奇妙なシリーズの文庫本がある。青森県の歴史や文化、言語などについて10巻の文庫本があるようだ。そのうちのひとつが本書である。
 「青森県地名の謎」古代権力は”鉄”を求めて北上した!! (松田弘州著)
あすなろ舎 1995年6月第八刷 定価600円 購入価200円
P1000729
文庫本である。


 松田氏はあすなろ舎を主宰していて、自らの著書10巻を出版しておられるようだが、既に亡くなられているということですべてが世に出ているかは定かではない。中でも「三郡誌(つがるそとさんぐんし)の謎」でこの書が偽書であるという説を展開され爆発的に読まれたそうだ。わたしは三郡誌の真偽について今語れる状況ではないのだが、ネット上で討論されている内容を見ると、様々な学者、研究者入り乱れて泥仕合状態になっているようだ。
 本書では直接的に三郡誌の件については触れていないのだが、あらゆるところで三郡誌論争同様の個人的中傷誹謗が現れている。あらゆる事柄について論争し真実に近づいていくという姿勢は学問のあるべき姿であるが、個人的な中傷誹謗からは真実は見えてこない。Img_0839

東日流外三郡誌の舞台となる十三湖(2006.9)


 本書の中に製鉄に関する地名の研究がある。サビシロ、サンナイ、ホドなど丹波の字地名に多くあり、興味深い。
 ”南部の馬産は製鉄跡地を利用”という項はわたしの研究中の事と同意見で驚いた。
 わたしは日吉町の胡麻高原は製鉄跡地、つまり製鉄のため樹木を切り尽くした地ではないかと考えている。そしてそこには官営の牧があるのである。こういった例は各地にあるようで、本書の意見には心強く感じている。Img_3289
 
灌木の胡麻高原は大きな樹林が製鉄用に切り倒されたのではないだろうか。


 もう一つ共感を覚えるのは、アイヌ地名に対する考え方である。アイヌ地名とされているものは沢山あるが、意味をなさないものが多い。単なる語呂合わせとしか思えないものがある。氏はそういった地名を内地の言葉で再検討されている。アイヌ語が東北地方に伝播したというより、本州の古い言葉がアイヌ語に取り入れられているのではということらしい。これは個別の例を見ると納得のいくもので、支持することが多いのである。
 最後に青森県の地名についてその語源を網羅しているのだが、参考になるものもあり、首をかしげるものもある。

今日のじょん:今日はおとーは同窓会で不在なので朝の内に写真を撮っておこうと撮ったんだけど、記事の内容がないよー。てかっ。P1000716   

 

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