晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

ヒトはなぜ病み老いるのか 9/5

2021-09-05 | 雨読

2021.9.5(日)晴れ

 Sさんが、「農協の役員を降りたら血糖値が正常になった」とおっしゃっていた。かみさんが、「ストレスが無くなったからですね」と応えていた。これは当を得ていると思ったが、ストレスが無くなるとどうして血糖値が下がるのだろうか。
 その答えは本書に全て書かれている。
「ヒトはなぜ病み老いるのか」若原正己著 新日本出版社2017年初版

左の本は次回紹介
 著者の若原氏は理学博士で専門は両生類の実験発生学とある。医者でないところがミソで、われわれ素人には病気や老化といった複雑な問題が実に素直に理解できる様に書かれている。特に老化、寿命に関しては自分の説を持った医者の書いた本をあれこれ読むと、一体本当のことは何なんだと疑心暗鬼に陥ってしまう。そこのところを高所対処にたって、わかりやすく書いてもらえると大変理解しやすい。病気、老化、寿命に関する関する書物をいやと言うほど読んできたが、特に老化に関しては様々な説があって、訳が分からなくなっていた。本書ではそれらの説に異を唱えるのではなく、見事にまとめておられる。おそらく数多くの書籍や論文を読んで、自分なりに考えられた結果ではないかと思うのである。病気や治療法については具体的に書かれているのでわかりやすく納得がいく。
 例えば上記血糖値の問題について、そもそも人間は血糖値を上げる様に進化してきたと説く。ヒトはその発生から200万年もの間常に飢えてきたし、今日においても飽食の時代などと言っているのは一部であることだ。人間の身体は血糖値を上げることに躍起になっており、血糖値を下げることは必要がないという風になっているのだ。血糖値を上げる方法は、グルカゴン、アドレナリン、糖質コルチコイド、成長ホルモン、チロキシンなどのホルモンが膵臓や甲状腺など各器官から分泌されるが、血糖値を下げるのは膵臓のインスリンただ一つと言うことだ。Sさんの場合、役員遂行の精神的肉体的ストレスで、交感神経優位になり血糖値や血圧をあげて戦闘態勢となったのだろう。そしてそのストレスが無くなったとき、副交感神経とのバランスがとれインスリンが分泌されたのだろう。つづく

コメント
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