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晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 続々・鉄の本を読むわけ 1/7

2013-01-08 | 雨読

2013.1.7(月)晴れ

 磁石を片手にあちらこちら行く度に河原の石を調べてみるのだが、上林川ほど磁性の強い岩石のあるところは未だに無い。唯一大江の内宮下の林道ではそこら中の岩石が磁石に反応していた。この地域は東に湯舟山、西に製鉄遺跡があるという北原がある所だ。磁性のある岩石と古代の製鉄がはたして関連があるのだろうか、なんとも心許ないことなのだけれど、良質というか濃厚な砂鉄を作り出す要因のひとつにはなるのではないかと思っている。P1030629
 



上林川は整備が進んでいるせいか砂州が少ない、写真のように礫のところが多い。川砂鉄を採るには不利なようだが、過去にはどうだったのだろう。

 次の大発見は鉄滓である。上林川の堤防で拾った4cmほどの灰色の欠片は丸い気泡の跡があり、片方はコンクリートのような状態で、弱い磁性がある。比重は小さいようで、一見建築に使われる建材の破片のようだ。図鑑に載っているはずもなく、ネットで探ってみると鉄滓だと解る。この頃は鉄滓イコール製鉄というぐらいの知識であったから、ずいぶんと感動したものだ。上林で製鉄が行われていたという想像が証明されたのだと思ったのだ。
 ところが鉄に関する本を読むうちに鉄滓といっても製鉄滓、鍛冶滓、鋳物滓など各種あって、鉄滓イコール製鉄ではないことがわかり、また上流の清水に近世鋳物師の井関氏が操業していたことも知った。何度もあった水害の都度清水から8Kmほど流されて辿り着いたのだろう。
 井関鋳物師の末裔にお会いし、たたら跡で採取された鉄滓も見せて頂いた。色合いや形状はわたしが採取したものと同様で、違うところといえばガラス質が表面に残っていることである。その後も続々と発見し、椀形滓、流動滓のような鉄滓も出てきた。前者には鉄の塊状のものや木炭も含まれており、鋳物滓とは別物ではないかという期待もしているのだが、可能性は薄そうだ。
 鉄滓に関しては井関氏たたら跡から頂いた1個やその近辺で採集したいくつかも含めて、約15点を現在展示公開している。P1030627
 鉄に関する論文の中には古代の製鉄に関して否定的なものもある。しかし上林のように一般的には金属のキの字も縁の無いと思われている地域にも、古代の極原始的な製鉄が行われていたのではないかというロマンを追い続けているわたしには、鉄に関する書物の中で少しでもその可能性を見いだしたい想いなのである。

【作業日誌 1/7】
看板描き

【今日のじょん】:初え~声をした、桜井さん夫婦など来ておられたので大喜び。
「もう一丁」で何度でもするので、最後には声がかれて味が出てくる。救急車だけでなく、消防車、パトカーも来て、なんでも大変な事故があったそうだ。え~声なんて喜んでられない。(声を聞きたい方は、1012,9,1参照)
 

  

コメント
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