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晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

楽しい腰痛(51)7/4

2016-07-04 | 健康

2016.7.4(月)曇り 

 じょんのび歩行ガイド(保存版)
・腰紐ベルト(バックル式荷締めベルト)をして、骨盤を前傾させ、背筋を伸ばしあごを引いて、後頭部を紐でつられている感じで歩く。

・呼吸は肩呼吸にならないようにし、鼻で呼吸する。しっかり吐くと吸い込むのは自然となる。吐、吐、吸のリズムが良い。

・目線は約30m先の路上を見るようにして一直線上を歩く感じ。股の付け根がお腹の中心にある意識で歩く。

・腕は肘が体の前に出ないようにふる、時々肩に意識をし、力が入っていれば抜くようにする。

・足はかかとで着地し、足裏外側で加重して親指付け根で蹴り出す。

・一日一回30分が基本だが、最初は10分でも20分でも良い。決してがんばらないことが大切で、気分が乗らない日や雨の日などは平気で取りやめる。歩いている間に自分の体に意識を集中し、不調や痛みを感じたら歩行を緩やかにするとか中止するとか判断すること。つまり一日何歩歩くとか、何分歩くとか、休まず継続するなんてことは意味が無いばかりか逆効果となる。

・歩行するルートはできる限り土道が良い。河川敷や公園など車の通行がなく、周囲に気遣いのないコースが良い。周囲が森や田んぼや河川で四季を感じる自然豊かな場所が理想的。

・歩いている間は過去や未来のことを思い煩わない。これは心配しなくてもそうなるようである。今現在のことだけを考えるか、楽しいことを考える。

・歩きながら筋ポンプ作用、拘縮した筋肉を緩める効果、姿勢を保つ筋肉を鍛える効果を意識する。

・歩行やストレッチ、トレーニングなどを日記に記録する。体の調子や痛みの状況も記録していく。3年日記、5年日記などの長期の日記が良い。健康のための取り組みは終わることがない、生きている間続くことである。

【今日のじょん】梅雨とはいえ近畿北部は続いた雨は降らない。ところが草刈りを始めると降ってきてちっともはかどらない。府道部分はすでに刈られているので焦りが生ずる。

剪定もやらなきゃいけないのでつらいのだが、じょんはカンケーねえってか。

 

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楽しい腰痛(50) 7/3

2016-07-03 | 健康

2016.7.3(日)雨 楽しい腰痛(49)は2016.6.29

 楽しい腰痛シリーズが始まってから読者数が減ってきた。腰痛のある方は期待して見ておられるのかもしれないが、そうでない方にとっては面白くも何ともない内容だからかな。というわけで健康雑誌よろしく「わたしはこれで治した!」というお待ちかねの結論を先に公開しよう。この治療法に至った経緯や能書きは実はとても大切な事なので後ほどだらだらと書くことにしよう。
 30余年間再発を続け、この一年は慢性化し、昨年末からは座骨神経痛となったわたしの愛すべき腰痛は今年の4月26日(火)をもって嘘のように解消してしまった。もちろん様々の治療法、薬、体操を重ね整形外科、外科、内科、心療内科など多くの医療機関にもかかってのことだけど、主役となった治療法は腰紐ベルトを着用した30分の歩行、名付けて「じょんのび歩行」である。
 昨年の12月28日に原型となる歩行を始め、当初はベルトもなく20分の歩行だったが、4月中頃から30分となっている。なーんだ歩くだけかと思われるだろうが、実はなかなか大変な作法があって、姿勢、呼吸、着地など正しい歩き方が必要で、認知行動療法としての意識の持ち方も大切になってくる。これらは徐々に紹介していくが、やってみたいという人のために簡単なパンフレットを作ったので次回ご紹介しよう。
 
腰紐ベルトは市販のバックル式荷締めベルトで写真のようにきっちり締める。コースは堤防上の土道約1500m、往復で3Kmほどか。

【今日のじょん】川合のわんこ
Kさん宅やったかな、いつも留守番みたいで行くとすごくよろこぶんデス

 

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楽しい腰痛(49) 6/29

2016-06-29 | 健康

2016.6.29(水)雨 楽しい腰痛(48)は2016.6.17
 痛みのメカニズムについては医学的に既に明らかにされているところである。痛みとは身体に異変が起きたとき、修復の措置をとるよう促すための一種の防御機能といって良いだろう。無事に回復し問題が無くなれば痛みは止まるし、状態が継続したり悪化すると痛みも継続、増強すると考えられる。しかし腰痛の場合、症状が改善しても痛みが止まらず、より増強する謎の痛みがある。これがNHKスペシャルで放送され、センセーションを起こした脳が引き起こす腰痛である。
  痛みに対する恐怖心が脳内のDLPFCという部分の活動を抑え、痛みの回路に「鎮まれ」という指令を出しにくくし、幻の痛みが続くというものである。「鎮まれ」という指令とは科学的な表現ではないが、わたしはセロトニンやドーパミンなどの鎮痛を促す物質の分泌が低下するのではないかと思っている。先に述べた「無事に回復し問題が無くなれば痛みは止まる」ということがDLPFCという部分が正常に活動している状態だろう。

見るだけで腰痛の人の38%が改善したというDVD
 さてこの幻の痛みを感じる部位は一体どうなっているのだろう。NHKでは痛みを感じる部位では何も起こっていないと言っているがサーノ博士は患部は軽い酸素不足を起こしていると言っている。神経内科医の中井先生にこの件を問うと、「NHKの言っているのは幻肢痛のことでしょう」ということだった。幻肢痛とは失った手足等にあたかもまだ存在しているように感じる痛みのことである。なるほどそうかといったんは納得したが、それでは失っていない手足に感じる幻の痛みの場合はどうなんだろう。わたしはサーノ博士が言うように軽い酸素不足が起きていると考えたい。
 酸素不足というのはどういうことなのか、次のように考えてみた。
酸素不足←血流不足←筋肉の緊張・収縮←交感神経の活性化・筋肉に対する負担
 筋肉に対する負担というのは強い運動、長時間の同一姿勢のことである。「腹筋運動をすると腰痛になる」のなかで松尾氏は筋肉の緊張・収縮が続いて戻らなくなった状態を筋肉の拘縮といわれている。この筋肉の拘縮こそ腰痛の原因の大部分を占めるものなのである。
つづく

【今日のじょん】何を見てるのでしょうか?

梅の枝が折られている、熊の仕業と思うけど、実がなっているわけじゃなし、????

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楽しい腰痛(47)6/16

2016-06-16 | 健康

2016.6.16(木)雨  
腰痛の治療と予防(1)
 完全に慢性化し、いわゆる座骨神経痛までなってしまい、これは徹底的に治療しなくてはならないという思いに駆られた。これまではとにかく痛みさえ取れればそれでよしとしていたのだが、慢性化すると永遠に痛みが続くわけだからそういうわけにはいかない。治療に当たって治療の方針を立てた。
1、他に原病がないか徹底的に調べる。
2、腰痛の原因はなにか、納得がいくまで調べる。
3、鍼灸、漢方、理学療法、灸、薬剤、民間療法などあらゆる機会を試す。
4、ストレッチや体操など自分でできる方法を編み出す。
5、改善したら次に出ないよう予防法を確立する。
 とまあ、こんなところで順を追って紹介しよう。

腰ひもバンドをして30分のウオーキングを続けている、ここに至るまでの過程がながい。
1、腰痛と同時に軟便、下痢が続き常にお腹がごろごろ鳴っていたので内臓に原因があるのかあるいは関連があるものなのか調べてみることにした。しかしこれにはこのことをわかってくれる医師が絶対必要である。こういうときかかりつけ医があればいいのだが、いきなり病院に行っても期待する方向には進まない。何件かの病院で無駄な検査や意味の無い治療を繰り返した後、西京都病院の中井先生にお世話になることとなった。中井先生は心療内科のオーソリティで、心療内科の本来の医療をされている先生だ。わたしは生まれて初めて問診、聴診、触診などの本来の診察を受けた。先生は腰痛患者の中に膵臓がん、大腸がん、前立腺がんなどの原病を発見されており、わたしの場合も念のためすべてを検査することとなった。つづく

 【今日のじょん】川合のわんこ

今日はかわいどころを紹介、盛市ちゃんとこのトラ君とご近所のことぶきちゃん。ことぶきちゃんは2月にはいなくて4月にはいたからその間に来たのだろう、とにかくかわいい。

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楽しい腰痛(46) 6/14

2016-06-14 | 健康

2016.6.14(火)晴れ 楽しい腰痛(45)は2016.4.6

 2ヶ月あまり記事を書いていないので、「いったいどうなったのか?」という疑問の方もあろうかと思う。実は見事に克服したのである。昨年の春から連続的な腰痛に悩まされ、9月28日からは完全に慢性化し、年末からはいわゆる座骨神経痛が続いていた。それが4月26日、完全に解消したのである。なんでそんなに詳しくわかるのかという疑問もあろうかとお思われるが、それは腰痛に関して痛みの部位や程度、治療の詳細、体操やトレーニングの状況などを日記に記録してきたからだ。それは30数年もの間腰痛を繰り返しながら、行き当たりばったりの治療をし、治れば予防を何もしないという生活をしてきて、もうこの悪循環は断ち切ろうという思いがあったからだ。つまり、今痛みが無くなったからと言って次に再発しないという確証はないし、そのときどう対処するか、いやできればもう二度と起こさないために体作りをするために記録していこうというものである。そしてもう一つは本当にわたしの手法で治ったのなら、多くの腰痛に悩める人のためになるよう知らせていくための資料作りとしたいというものである。

日野原重明先生の「生きかた上手」という3年日記。
 ともかく、永久に続くかと思われた痛みが無くなった。こんな楽しいことはない、「楽しい腰痛」の神髄である。もしこのまま腰痛が出ない、あるいは出たところで自分自身で簡単に治すことができるとしたらこれは画期的なことである。実は4月26日以降も2度ばかし違和感のあることがあった。これは腰痛持ちなら誰でもわかるあのいやな感じで、何事も無いか、腰痛が始まるかの分岐点である。このとき不安に陥ることなく自信を持って対処した結果、何事もなく終わった。ちょっと自信がわいてきているのだけど、ここまでに至ったわたしの腰痛治療法、再発予防法をまとめていきたい。つづく

じょんのび腰痛克服法のひとつ、腰紐療法

【今日のじょん】今日はSWIMトレの日で、車中で待っていられるようだったらじょんも連れて行こうということになった。しっかり曇って時々雨も落ちていたので連れて行く。ところが峠を越えておおい町に入った頃、空は晴れて暑くなってきた。やむなく水泳は中止、大島の赤礁(あかぐり)海浜公園で弁当食べようと出かける。営業は夏休みからということでひっそりしていたが、ずいぶんと景色のよいところで、オートキャンプ場も人気のようだ。

あかぐりというのは赤色の岩礁があるわけ。(松の木の間に見える)

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楽しい腰痛(45) 4/6

2016-04-06 | 健康

2016.4.6(水)快晴 「病が語る日本史」を読む-2

 腰痛の件は本書でも解決しなかったが、いくつか共感することや疑問の残ることがあったので紹介しておこう。
 聖武天皇の大仏造立は有名だが仏の報恩によって凶作や病苦に苦しむ民を救うためという題目で始まっている。これほどの大事業のほかにも度重なる遷都など、民を苦しめないはずがない。例えば後の封建領主などは、民を苦しめていることは重々わかった上で重税を課していたわけだが、聖武天皇は本当に民を救おうとして大仏造営の事業を行ったのではと想像している。これは実にたちの悪いわけで、一種裸の王様状態といえよう。現在の安倍首相もよく似ていると思えるのだが、「国民のため、国民のため」といいながら国民を苦しめている。本当に国民のためと思っているのかもしれない。
 大仏造営時には鍍金のため多量の水銀中毒者が出ているはずだが、記録には全く出てこないということだ。もちろん水銀や銅の採掘現場でも中毒、事故、じん肺などの被害も多かっただろうし、公害もあっただろう。
 不思議に感じたのは、脚気(かっけ)である。脚気はアジアの米作地帯に限って発生する地方病である。日本武尊(やまとたけるのみこと)の死因は脚気だろうという説が有力だが、その原因は明治の半ば過ぎまでわからなかった。脚気はビタミンB1欠乏によって起こる急性末梢性神経炎なのだが、江戸時代に地方から丁稚奉公に出てきたものに多く発症したといわれている。つまり雑穀や玄米を食していたものが白米(銀しゃり)を食するようになって発症しているのである。現在でも白米を主食としているが脚気にならないのは、副食によってビタミンが補給されているからだ。丁稚は白米こそ食べられたが、副食はほとんどなかったといわれる。庶民の間には「銀しゃりさえあればおかずはいらない」という銀しゃり至上の考え方もあったのだろう。そういう食生活の変化に目をやればビタミンがどうなんてことはわからなくても、その辺に原因があるということがわからなかったのだろうか。脚気の名医といわれた漢方医遠田澄庵(とおだちょうあん)の処方は穀類や豆類だったという。おわり

【今日のじょん】じょんはよその家や小屋に妙に行きたがる。好奇心が旺盛なんだろうが、近所の山道に行くと行ってきかない。
この先はずいぶん登ってお墓があるのだが、そこまでつきあわさせられた。

 

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楽しい腰痛(44) 4/5

2016-04-05 | 健康

2016.4.5(火) 「病が語る日本史」を読む-1

 「近世の医療史」より柔らかめの本として読んでみる。著者の酒井シズ氏は医史学の専門家であり、腰痛の話も出てくるかなと期待を込めて読了した。
 「病が語る日本史」酒井シズ著 2002年12月第四刷講談社発行 福知山市立図書館借本

 結論から言って、残念ながら腰痛が登場することはなかった。椅子の登場で腰痛が発生したというわたしの説は明らかに極論で、腰痛が主に筋肉の拘縮によって起こるとしたらかつての重労働や過酷な生活環境では腰痛は起こるはずであり、内蔵など他の原病があった場合も今日同様腰痛は起こるものである。また、古文書に登場し、本書に取り上げられる人物は時の権力者や著名な武将などであるので健康とは縁の遠い人たちではなかったろうか。例えば糖尿病など幾多の病に冒されていた藤原道長についても過飲過食、運動不足、ストレス、肥満など発症因子がそろっていたとしている。
 現在でもそうなのだが、生命に関わる病気ではない腰痛症が近世以前の歴史に登場することはない。出てくるのは糖尿病、マラリヤ、寄生虫(日本住血吸虫など)、ガン、インフルエンザ、ハンセン病、脚気、コレラ、天然痘、梅毒、赤痢、麻疹、結核、ペスト、などである。今日では問題にされないような病気でも当時は命に関わったのである。腰痛症、慢性腰痛症もあったのだろうけど問題にするほどの病気、いや病気とも見られなかったのかもしれない。つづく
【今日のじょん】昨日久々に散歩時に雨が降った。雨具のスタイルも写真撮っとこ、なにせ写真みんななくなったからね。

 

 

  

 

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楽しい腰痛(43) 4/4

2016-04-04 | 健康

2016.4.4(月)雨    「近世の医療史」を読む-(2)
 面白いことに、医に関する書物の中に腰痛の文字が出てくるのは年代が古いものがほとんどで、年代が下がってくると見られなくなる。目次の中の「腰痛門」さえ無くなっているものもある。うがった見方をすると、初期のものは中国の書物からの転記が多く、後代のものは医家自身の経験から書かれた書物が多いのかということになる。とすれば、近世の日本には腰痛が少なかったとも、医家が腰痛など相手にしなかったとも考えられるが、これはちと考えすぎだろうか。
 著者の今井先生(整形外科医をされている)のあとがきに和田東郭(1744~1803)の気になる言葉が載せられている。
「人の病はとかく”肝”より起こるなり。万病ことごとく、その根本を推する時は、肝によらずということなし」
 肝というのは肝臓のことでなく、自律神経の失調を意味するというのだから名医による名言である。わたし自身、腰痛や筋肉関節痛の多くの原因は自律神経の失調ではないかと考えている。
 腰痛に関しては多くの情報を得られなかったが、医療に対する興味深いことを多く知ることとなった。
 産科の技術は世界的にも優れていて、賀川玄悦(1700~1777)は世界に先駆け正常胎位を発見し、産科鉗子を考案し多くの母体を救った。眼科においては既に白内障の手術がなされているのは驚きだが、基本的な技術は海外から入ったようである。有名なシーボルト事件は日本の医家が秘薬莨菪(ろうとう)を得るために贈った葵の紋服が元で起こっている。
 興味深いのは人体解剖の歴史であり、刑場から引き渡された首の無い屍体を解剖する件は臨場感が漂う。宝暦4(1754)年2月7日、山脇東洋が我が国最初の人体解剖を行い、従来の五臓六腑説の誤りを証明した。その後多くの医家により行われ、多くの写生図が掲載されている。
 本書には実に多くの図画、写真が掲載されているが、自画像や菩提寺、お墓が必ず出てくる。それらを見るとき、いくつかの文献で読んだ「医者は身分的に卑しい地位に置かれていた」という説が間違いではないかと思われる。肖像画では僧衣が多く、武士の装束、貴族の装束が大部分で、帯刀しているのも多い。墓にしても大きく立派な石塔が建てられており、身分が低いとは到底考えられない。
 本書に出てくる名医、典医などとは別に庶民の中に居た怪しげな治療をした者が多くあったというが、それらの者や古代から中世の聖などが治療に当たり、彼らが身分的に卑しいものとされたのではないだろうか。 おわり

【今日のじょん】おえーってあげることはなくなったんだけど、草を探して食ってるのは本能だろうか?

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楽しい腰痛(42) 3/30

2016-03-30 | 健康

2016.3.30(木)曇り 「近世の医療史」を読む-(1)

 椅子が無い近世以前には腰痛は無かったのではという滑稽な論を書いたら、常見先生から「面白い話ですね」とコメントが入った。もっとも椅子だけが腰痛の原因ではないだろうから腰痛が無いということはないと思うのだが、今日の大多数が悩んでいるようなタイプの腰痛は少なかったのではと予想している。ただ、そんなことを証明できるものではないなと考えていたところに新聞の書評に本書を見つけた。昨年発行されたばかりで値段も25,000円するのでとても手が出ない。図書館検索で探すと府立図書館にあったので、リクエストして借りることが出来た。近世の医療の中で腰痛がどのように扱われているか、少しでも手がかりがつかめないかと楽しみに表紙を開いた。
 「近世の医療史 京洛・大坂ゆかりの名医」今井 秀著 ミヤオビパブリッシング発行 2015年2月 第1刷発行 府立図書館借本

 見開きA3版、557ページにわたる大作で、真剣に読んだら2,3ヶ月かかりそうだ。腰痛に関わる部分だけを探すべく流し読みをするのだが、ついつい夢中になって見てしまうところもいくつかある。人物像、書物、絵図、お墓などとにかく夥しい写真が掲載されている。よくぞここまで集められたかと思う。40名の著名な医家についてその出自、人となり、親族、弟子、功績、著書、菩提寺から墓所まで足で歩いて収集した資料が網羅されており、多くの絵図、写真やエピソードで飽きることなく楽しませてくれる。
 近世の腰痛の実態を探ろうというわたしの目論見は見事にはずれた。今でいうところの原因のはっきりしない慢性的な腰痛などというのは江戸時代の名医が扱う病気では無いだろう。やはり主流になるのは伝染性の病気、外科、産科、眼科等と言ったところで、もちろん漢方の薬学なども医家の扱うところである。整形外科らしき分野も見られるが、いわゆる骨接ぎで、骨折、脱臼などの治療が主だったようだ。腰痛を扱うのは按摩や灸などを施す庶民であって、本書に出てくるような名医と言われるような医家ではないだろう。 
 それでも書物の中に腰痛という言葉は出てくる。多くの医学の書物が紹介されているが、その中に「腰痛門」というふうに分類されている。腰痛門の中身が見られないので何とも言えないが、現在でさえも原因が解らず、分類しかねている腰痛が往時に特定できようはずがない。つづく

 

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楽しい腰痛(41) 3/19

2016-03-19 | 健康

2016.3.19(土)雨、曇り
 3月17日ドクターGという人気番組で腰痛をやっていた。隠岐の島のドクターである。ぎっくり腰のような急性の腰痛で発症3日目に受診し、左腰とその上部肩胛骨の下辺りが痛点、反っても屈んでも痛みがあり、血圧は高め、脈は多めという状況で、血液検査、CTなどでは異常は認められない、というような患者であった。研修生は最初大動脈破裂とか色々言っていたが、どうやら筋膜性疼痛症ということになった。そこでドクターが今注目の筋膜リリースを実施、エコーの映像を見ながら筋膜と筋膜の間に生理的食塩水を注射するものだ。このあたりはわたしも研究済みでよく知っていたのだが、その後が本題である。筋膜リリースは一瞬にして腰痛が消える優れものだが、筋膜の癒着、捻れだけが原因の場合はそれで解決なんだが、他に原因がある場合はすぐに再発するということだ。番組でも数日後に再発し、ドクターは再診の際に患者が手を頭の後ろにやる癖を見抜く、そうすると痛みがやわらぐという。その仕草で原因が頸椎にあると気付かれ、神経ブロック注射で改善していったというストーリーである。病名は頸椎椎間板ヘルニアで痛みの起こる位置によって頸椎の何番かが分かるのである。
 ここで信愛会脊椎脊髄センターの寶子丸先生のことばを思いだす。「40歳から60歳の4割が腰痛に悩んでいるそうです。安静よりも運動と言われるように運動不足による腰痛が多いのですが、大変な腰痛もあります。歩けないほどの腰痛でお悩みの83歳男性が、原因が頸椎であった例もあります。私は頸の手術で腰痛が治ることに確信を持っています。」

寶子丸先生の記事を見つけたパンフレット
 寶子丸先生ならともかく、普通の整形外科の先生なら、腰のレントゲン写真を見て「特に異常は見当たりませんね、電気でも当てて様子見ましょう」ということになるのだろう。MRIのあるところだって腰部しか撮らないでしょうからね。

【今日のじょん】
一晩にして鹿ネットに大きな穴をあけられた。村では鹿がネットを食い千切るんやでとささやかれている。しかし鹿ならこんなネット飛び越えて侵入するだろう。丸い穴をあけて飛び込むなんて想像できない。畑の作物は被害は無いのだが、何者か気になる。

畑の下で発見した足跡は鹿のものでなく、猫の足跡を大きくしたような妙なものであった。じょんがしゃべれたらなんだか解るんだけど、、。

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楽しい腰痛(40) 3/18

2016-03-18 | 健康

2016.3.18(金)曇り、雨  「腹筋運動をすると腰痛になる」-(3)
 本書の前半にスエーデンの整形外科医ナッケムソンが腰に掛かる負担を調べるため様々な姿勢に於ける椎間板の内圧を測定した図が載っている。普通に立った姿勢を100として数字で表している。仰向けに寝ているのが一番小さく25,横臥が75,軽いお辞儀が150となっている。お辞儀は頭の重さがてこの原理で大きな圧力となっているかと思う。さて問題は椅子に座った姿勢である。一般的に椅子に座るのは休憩のため、腰を休めるためと思うのだが、実は逆に負担が大きいのである。背筋を真っ直ぐに座った場合が140,背中をまるめた姿勢だと185,座ったまま荷物を持ち上げた場合など275となっている。立っているより座っている方が椎間板に掛かる圧力は大きいのだ。
 氏は「中腰や前屈みの姿勢は腰への負担が大きいと言えます。別の言い方をすれば人間の腰椎は座ったり中腰や前屈みにの姿勢には不向きということなのです。」と書いておられる。わたしの腰痛椅子説もそういうことであり、なにか嬉しくなってきた。おわり

【今日のじょん】丹後温泉シリーズ「小町温泉」に行く。京丹後市大宮町の小町温泉は小高い丘の上にある。温泉+食事で1、000円のサービスがあったので、ちょいと行ってみる。

ここから奥は撮影不可
食事ったって麺類か丼物なんだが、天ぷらは大きめの海老が二匹と野菜が入っていて揚げたてで美味しい。お風呂もサウナ、打たせ湯、ジャグジー、露天風呂など揃っていてお湯もまずまず、また来ようかなという感じ。

 じょんもいつになく元気でその辺うろうろ楽しんでいた。

もう興味津々

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楽しい腰痛(39) 3/16

2016-03-16 | 健康

2016.3.16(水)晴れ 「腹筋運動をすると腰痛になる」-(2)

 松尾氏のHPの内容に共感を覚え本書を読むことになったのだが、わたしの昨年の腰痛の発端が腹筋、背筋運動と金スマで評判になった骨ストレッチじゃないかと勘ぐっている。というのはその頃、下腹のたるみが気になりはじめ、筋トレと骨ストレッチを真剣に取り組んでいた矢先のことだったからである。腰痛に付き合ってきたこの30余年間、それなりにスポーツを続けていて腹筋運動は常にやってきている。
 しかし腹筋運動が腰痛の原因だっていうのは俄に信じられなくて、単にウケ狙いのタイトルなのではと思っていた。読み進めるとなるほどと思えてくるのだが、筋肉を鍛えることは必要なことであって、そのために拘縮が起こり腰痛の原因となるというのはやはり矛盾といわざるを得ない。
そこのところが、「鍛えた後のケアが必要、、、」などというだけではなんとも納得しがたい。そこで勝手にそこのところを考えたのが次のようになる。
 腰痛予防、治療のためには腹筋背筋トレーニングは不要で筋肉の拘縮の起きない負荷の少ない反復運動、相反する筋肉に同時に刺激を与える歩行とかスイミングが有効。スポーツ選手のように筋肉を鍛える必要のある人はいわゆる「鍛えた後のケア」が必要ということではないだろうか。
 なぜ筋肉(特に腰痛の場合大腰筋)の拘縮が起こるのかという問題であるが、これは筋肉に加わった負荷が①強い②急激③持続時間が長いなどの場合収縮した筋肉が元に戻らなくなるためである。従って車の運転やデスクワークなどで座っている時間が長い人、中腰や前屈みの仕事を続けている人、間違った筋肉運動をしすぎている人などに多いとしている。つづく

【今日のじょん】最近野山に食い物が少ないのか、鹿が花まで食うようになった。玄関の鉢植えも毒と言われるスイセンもこのとおり。

 

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楽しい腰痛(38) 3/13

2016-03-13 | 健康

2016.3.13(日)曇り 楽しい腰痛(37)は2016.3.3
 「腹筋運動をすると腰痛になる」-(1)

 何ともショッキングなタイトルである。わたしたち筋金入りの腰痛持ちは整形外科医から、「腰を支えるのは腹金と背筋だから鍛えるしかないよ」と言われてきた。なるほど骨を支えているのは周囲の筋肉だと痛みが治まるやいなや取り付かれたように腹筋背筋運動をしてきた。もっとも大多数の人は三日坊主で終わってしまい、次に腰痛が起こったときに「筋トレサボってしまったなー」なんて反省することしきりなのである。ところがまじめに腹筋背筋運動を続けてきた人は本当に腰痛が治ってしまうのだろうか?

「腹筋運動をすると腰痛になる」 松尾毅 アチーブメント出版 2009年9月第1刷発行 綾部市図書館借本

 わたし自身腹筋背筋運動はそれなりに続けてきた。それなのに腰痛を繰り返し、遂には慢性化してしまった。そういえばもっともっと筋トレしているスポーツ選手だって、やっぱり腰痛には苦しんでいるし、普通の人より腰痛は多いのではないか。
 良かれと思っている腹筋運動が実は腰痛の原因だったら、これは一大事である。うすうすは気付いていたことがある。腹筋運動が腰痛の原因とまでは思っていなかったのだが、筋肉の凝り(本書では拘縮といわれているもの)が怪しいとは感じていたのだ。最近話題の心因説も脳内だけの問題ではなく、患部ではこの拘縮が起こっていると考えられる。
 本書は松尾氏のホームページを見ていて見つけたものだが、どこかの図書館にあって取り寄せてもらうよう頼んでいたら綾部図書館で購入していただいたものである。つづく

【今日のじょん】

火事じゃないですよ。

野焼きでした。ワン。おかげさまでダニが少なくなります。 

 

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楽しい腰痛(37) 3/3

2016-03-02 | 健康

2016.3.2(水)晴れ 楽しい腰痛(36)は2016.2.28
 一生寝たきりにならない体は「貧乏ゆすり」でつくる!を読む。ー続編

 最近健康に関する本が出版されるとすぐに逆の説を掲載した本が出版される。例えば「肉類を止めて炭水化物を、、」なんてのが出ると「長生きしたけりゃ肉を食え」なんてのが出版される。健康について考えている人は真剣だからどちらも買ってしまう。(わたしは買わないが、、)だってどっちが真実なのか確かめてしまいたいものだから。この類いの本は読むと確かに一理あるという部分は出てくるのだが、結局タイトルほど大袈裟に考えなくてもいいものがほとんどである。両方読んでも「これだ」という風に決められないようになっている。本書の場合対抗する本は無いのだけれど、この筋トレ、水泳、水中歩行禁止は、これってウケ狙いじゃないかという気がする方も多いと思う。股関節の悪い人でこれらの運動を良かれと思って必死でやっておられる方は多いだろうから。ところがわたしはこれらのことを肯定するものである。先生の意見に大賛成ということだ。
 前回の文を思い出すと、「外転筋の力を弱めることがいかに大切か、、、」とある。また、水中歩行禁止については、水中歩行はハムストリングが活発に動き、緊張を増加させるという風に書かれている。「私たちの手術では、ハムストリングが緊張している場合は、ゆるめるようにしています。それによって関節症が改善されやすからです。」と書かれているのである。これらのことは、関節痛というのは関連する筋肉の緊張で起こるということを立証していると言えまいか。だから先生の言を肯定するものなのだが、先生は変形性股関節症の説明で、「関節軟骨がすり減ると隙間が狭くなり、痛みが出てくる」「軟骨の衝撃吸収能が減少して、臼蓋と大腿骨頭に過大な力がかかって、痛みが出てきます。」と書かれている。あたかも軟骨がすり減ってごりごり擦れて痛みを発生するようにとれるのだが、そもそも軟骨には血管も神経も通っていないのだから、そこが痛むことは無いと思われる。
 ともあれ貧乏ゆすりは軟骨を再生するというだけでなく、関節や筋肉にあるいは精神的にも良い効果があるのではないかと思わせる。おわり

【今日のじょん】散歩から帰ってきたじょんを撮ったらなごり雪が写っていた。これが最後の雪になればいいのだが、、。

 

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楽しい腰痛(36) 2/28

2016-02-28 | 健康

2016.2.28(日)晴     楽しい腰痛(35)は2016.2.22
 一生寝たきりにならない体は「貧乏ゆすり」でつくる!を読む。

 数年前に「ためしてガッテン」で貧乏ゆすりで軟骨再生というのをやっていた。当時膝の痛みに悩んでいたのでさっそく貧乏ゆすりを始めた。調べてみると2012年2月の放送なので、実に4年前となる。ディスクワークではないので続けて座ることが少ないのだがそれなりにやっていると、2年くらいで膝の痛みは解消した。当初グルコサミンだのコンドロイチンだのサプリメントも利用していたが、すぐに止めてしまった。継続してやって効果が認められたのは、この貧乏ゆすりと五十肩予防の肩のインナーマッスル運動(これは7年続けている)ぐらいだ。
 さて今回は貧乏ゆすりがもっと他のことに有効なのではないかという思いがあって本書を読むことにした。

一生寝たきりにならない体は「貧乏ゆすり」でつくる! 井上明生著 日本文芸社 2012年11月第一刷発行 京都市中央図書館借本
 井上先生は変型性股関節症治療の権威で、柳川リハビリテェーション病院の名誉院長をしておられるドクターである。
 まず驚いたのは、本書で言われている軟骨の再生は股関節のことであることだ。わたしがためしてガッテンで見たときには膝のことも言っておられたように思っているのだが、、、。しかし股関節の軟骨が再生されるのなら、膝関節の軟骨も同様だろうと思っている。わたしの膝関節は貧乏ゆすりで良くなったと考えられる。
 井上先生が貧乏ゆすりを治療法として思いつかれたのはCPMという人工的に関節を動かす治療用の機械だそうだ。貧乏ゆすりが軟骨を再生させる科学的な根拠ははっきりわかってはいないようだが、確実に治療効果を挙げておられ、もちろんMRIなどではっきり確認することも出来るわけだ。
 貧乏ゆすりはどうもきこえが悪いのだが、英語ではジグリング(Jiggling)というそうだ。わたしはジグリングには軟骨再生以外にも効果があるのではないかと模索している。先生も本書の中で抽象的ではあるが次の効果を書いておられる。
・老けない体をつくり
・血行を促進し
・ストレスを解消し
・いつまでも健康になる
なんでそうなるのか、予想でもいいから書いて欲しかったのだが、「血行を促進し」というところは一番気になるところだ。軟骨には血管はないので血行促進が軟骨再生に直接的には関係しないのだろうが、滑液(関節の中にある液体)に栄養や酸素を供給するのは周囲の血管かと思う。いずれにしても貧乏ゆすりが血行促進に有効なことは確かなようだ。
 そしてもっと気になることは、「筋肉トレーニング、水泳、水中歩行は禁止」という事項である。おそらく股関節の悪い人の多くはこれらのトレーニングを良かれと思ってやっておられるのではないだろうか。この理由はやや複雑で専門的なので原文で書いておこう。
「私たちは股関節症の手術(自骨手術、キアリ手術)をした時、股関節を外へ開く筋肉(外転筋)が付着している大転子(だいてんし)の癒合が遅れると、関節症が劇的に改善されるのを何度も経験しています。外転筋の力を弱めることがいかに大切か、がわかります。そのような事実に基づいて、この筋肉などを強める筋トレはお勧めできません。」横臥して片足を上げ下げしている図が掲載されている。この本、随分易しく、初心者でも解るように書かれているのだがこの部分だけなぜこんなに難解なのだろう。つづく

【今日のじょん】
 

これは社員旅行で行った久美浜の「そら」の写真なんだけど、ここで買ったチーズケーキを朝食時にいただいた。ところがだ、仕事に行くと熊谷君が「これ食べてみてよ」ってレアチーズケーキをコーヒー付きで用意してくれていた。

 彼が数ヶ月前からチーズケーキの研究に没頭していることは知っていただけに断るわけにはいかない。しかもただ食うだけでなくそれなりのコメントも必要だ。さすがに午前中には食べられず、3時頃におもむろにいただいた。考えながら食うのは結構疲れる、しかも苦手なケーキ部門だ。5時にやってきた彼に思うところを告げると、思い当たるふしがあったようだ。いやはや面目躍如、「おいしゅういただきました」だけではダメなんだよ。
 


  

 

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