東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

イギリスらしさ

2024年05月20日 23時13分02秒 | 山形交響楽団

 週末の5月定期が終了しました。グリーグのピアノ協奏曲以外は知らない、という方も多かったのではないかと思いますが、ヤブロンスキー氏や藤岡氏の人気もあったでしょう、両日ともたくさんのお客様にご来場頂くことができました。本当にありがとうございました!

 プログラムのメインはヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番。派手さはないけど静かに胸に迫る名曲でした。

 カズオ・イシグロの「日の名残り」という小説の最初の方で、主人公が雑誌「ナショナル・ジオグラフィック」から、イギリスのなだらかな丘陵地帯の写真をいかにもイギリス的で好ましいように評している場面があったと記憶していますが(古い記憶なので、間違いがあったらすみません)、その風景は、ヴォーン・ウィリアムズのこの曲にも通じるものがあるように感じます。グランドキャニオンの風景のように圧倒されるというものではないけど、人を包み込むような、まさにジェントルと形容したい優しい気持ちにさせられる、そんな作品です。そのしみじみとした美しさは、ライブでないとなかなか伝わりにくいものかもしれません。今回聞き逃したという方は、ぜひいつか実演に触れてみて頂けたらと思います。

コメント
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