長い文化庁公演を無事に終え、久々に映画を見て参りました。「はい、泳げません」。長谷川博己と綾瀬はるかいう、二大スター俳優(しかも実力も折り紙つき)が主演だったので選んだものです。
コメディ調の感動作ということで、わりとコミカルなのかなと思っていたのですが、思いがけず深いシーンが多くて、良いものを見た!という満足感がありました。
一言で言ってしまえば、ある事故で深く傷ついた主人公(長谷川)が再生する物語。その傷を乗り越えるために必要だったのが水泳で、コーチ(綾瀬)や周囲の助けで克服していきます。
面白かったシーンは沢山ありますが、理詰めで、ともすれば頭でっかちになりがちな主人公に対する実戦的なコーチの教えが、主人公の成長に伴って、言うことも変化していくのはなるほどなぁと唸ってしまいました。前言っていたことと違う、という主人公に対し、今は以前と違うのだというコーチ。成長に合わせて意識が変わり、教え方も変わるのは理にかなっていますよね。
もう一つ印象的だったのは、リハビリの語源が「再び人間らしく生きる」というもの。この布石になっているのが、主人公と同じ大学の先生(小林薫)が、「小鳥遊(たかなし。主人公の名字)先生が一番小鳥遊先生らしく生きられる」という内容のセリフです。短いシーンなのですが、この映画を象徴しているとも言える名シーンだと思います。
見ると元気になれる映画です。泳げる人も泳げない人も是非!