東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

ファゴット四重奏

2011年08月14日 22時44分37秒 | 雑記
 昨日はファゴット四重奏という、とても珍しいコンサートに行ってきました。
 普段は各地のオーケストラで活動してるファゴット奏者たちが、お盆休みという機会に集まり、ようやく実現にこぎつけたということです。なにしろ同じオケの中にいてもスケジュール調整が大変なのですから、違うオケにいるともなれば、その苦労は計り知れません。我らが山響の高橋あけみさんが発起人となって実現したとのこと。ただでさえ忙しい普段のオケ活動と平行して、地元開催の様々な処理は本当に大変だったと思います。

 さて、そういった困難を乗り越えてのコンサート。誰もが楽しめる、とても素敵なものでした。
 会場は瑳蔵という、普段は喫茶店として使われている、蔵造りの建物です。舞台があるわけではないので、普通ならありえないくらい近くで演奏を聞くことができます。とてもアットホームな雰囲気で、友人の家に遊びに行ったら演奏でもてなしてもらった。。。そんな親しみやすさを感じます。
 それにしてもこの至近距離。。。聞く方は楽しいですが、演奏する方はかなり緊張するのではないでしょうか。しかし皆さんの音は心から楽しんでいる様子で、そんな気配は微塵も感じられませんでした。

 演奏者は高橋あけみさん(山響)、石川晃さんと佐久間大作さん(共に新日フィル)、水野一英さん(仙台フィル)の4人に、中ほどでヴァイオリンの山口幸子さん(新日フィル、佐久間さんの奥様だそうです)も交え、曲目もクラシックからポピュラーまで(ビゼーのカルメンから「北酒場」まで!)と幅広く、最後まで飽きさせない、バラエティに富んだものでした。佐久間さんは演奏の腕前は勿論ですが、話もとても上手で、司会進行を一手に引き受け、雰囲気を盛り上げていらっしゃいました。

 このような珍しい編成の室内楽をする場合、なんといっても悩みのタネは楽譜です。普通ありません。で、どうするかというと、メンバーの誰かが編曲をするのが通例です。今回は佐久間さんがされたとのこと。原曲はオケだったりトロンボーンアンサンブルだったり種々様々ですから、まさに言うは易し行うは難し。こんなハードな環境の中で開催にこぎつけられたのは、皆のファゴットへの愛と、このメンバーでやりたい!という強い思いがあったからだと思います。

 これは私の個人的な感想ですが、オケで活動している人々がわざわざ課外活動的に行っている自主室内楽公演は、普段はちょっとできない実験的なことにも挑戦できたりするので、面白いものが多いと思います。今回のファゴット四重奏も、これで終わりではなく、今後も続けるつもりと聞いています。きっとまた新しいファゴットの魅力を教えてくれると期待しています!


 
コメント
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