1月上旬。暖冬の影響か,近くの畑では菜の花が咲いています。この菜はチンゲンサイ。
この日はあいにく寒い一日でした。それでも花が開いていれば昆虫がいるかもしれない,そんなことを思って行ってみました。
一向に虫が来ている気配はありません。株ごとによく見て行きました。しばらくして,ハナアブが1匹目にとまりました。どうやらシマハナアブのメスのようです。自然は期待を裏切りませんでした。近寄ると,じっとしている様子。吸蜜に来たというのでなく,ここで一夜を明かしたとでもいった感じです。それは,からだのあちこちに付いた水滴でわかります。
前日飛来して蜜を吸い,そのままここを宿にしたのでしょう。ここからわかるのは,ハナアブは成虫越冬するということ,冬でも気温が上がれば活動し始めるということです。
虫媒花の開花,気温,風の強さ,……,そんな環境条件が合わさって昆虫の活動を決定づけます。「わたしたちの目に付く色の付いた花があれば,いつも注目せよ」というのが観察ポイントです。
午後畑仕事に行ったついでに,再びハナアブを見ると,翅の水滴がなくなっていました。位置もすこし変わっていました。そうこうするうちに,パッと飛び立って,近くのハクサイの葉にとまりました。気温が上がり,からだが動き始めたのです。やっぱり!
この日に見た昆虫は他に2種。葉にいました。探せば見つかるものです。
一つはタネバエに似た小型のハエ。花粉を餌にしているのでしょう。
もう一つも小さなハエ。交尾中のカップルでした。これは顕微鏡モードで手持ち撮影したため,相当にとんでもない写りです。状況証拠にはなるでしょう。