自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クズ粉の精製

2016-01-15 | 随想

クズのデンプンは他のデンプンと同じように色は白。ところが,わたしたちがすりおろした根から取り出したものには,根の皮成分や繊維カス,腐敗物などが入っていて濃い茶を帯びていました。こうなった以上,なんとか精製を続けてできるだけ純白に近いデンプンを取り出さなくては値打ちがありません。それで,なにが何でもという気持ちで工夫を続けました。

その策は上澄み液を捨てる,水を入れてかき混ぜデンプンを沈殿させる,再び上澄み液を捨てる,さらに水を入れて……,この繰り返しに尽きます。実際5,6回は繰り返しました。1回のサイクルだけで半日を費やしました。デンプンの粒が細かいので,沈殿に時間がかかるのです。

作業を繰り返した結果,ようやく下写真の状態になりました。まだ上澄み液が濁っています。


容器にしている鍋を傾けると,純デンプンが現れました。白いものがそれで,その上に茶色い不純物が混ざっています。この不純物をすべて捨て去るのはなんだかもったいないのですが,不純物混じりのデンプンなので止む無く捨てることに。


沈殿物をコップに入れて水を加え,撹拌しました。そうして,数時間置いておくと,下のようにデンプン層ができてきました。


さらに数時間置くと,デンプン層の上に不純物が積もりました。これと上澄み液を捨てます。


もう一度だけ水を入れて撹拌して,今度は純デンプンが沈殿し終わった頃に,上澄み液を捨てます。それでもまだ純白ではありません。これで期待したデンプンがなんとか採り出せたことになります。根気のいる作業ですが,だれにでもできる単純作業です。 


時間が経つと,ご覧のとおり。


上澄み液を捨てて,おしまいに新聞紙の上に湿ったデンプン粉を載せて乾燥させます。これでやっと出来上がり! それにしても水というものは,不要物を溶かして流し去るのになんと重宝な液体なのでしょう。 

 


今,タンポポの花と昆虫(またまた)

2016-01-15 | 昆虫と花

わたしが観察している範囲で,今,いちばん目に付くヒラタアブはフタホシヒラタアブ。 ホソヒラタアブはもっともありふれたヒラタアブ類なのですが,タンンポポで吸蜜しているところを見かけたのは久しぶり。

冬のタンポポは背が低いので,花が風で揺れて撮影しにくいということがほとんどありません。 観察にもってこいの条件です。


ごく小さなヒラタアブが来ていると思って見たら,おやおやミナミヒメヒラタアブでした。めずらしい! ほっそりとした小さなからだで花の奥に潜り込んで,口吻をうーんと伸ばして,ゆっくりゆっくり蜜を得ている模様。

 
わたしがレンズを近づけていっても,気づかないような感じ。しばらくして蕊の先に出てきました。そこでも花粉を舐めていました。このからだには,花一つもあれば栄養はたっぷり摂り入れられる気がしますが,どうでしょうか。


この分だと,まだまだ,いやいや,ずーっとタンポポからは目が離せそうにありません。