自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヨモギハムシの恋

2016-01-18 | 昆虫

偶然の出来事を目撃するって,意表をつくようなところがあって,じつにおもしろいものです。「よくもマア,この場に居合わせたよ」という感じです。

アゲハの庭園のキクで見たヨモギハムシの話です。寒い日のこと。庭の手入れをしているとき,葉にハムシが1匹。メスです。「冬,活動しているんかあ」と思い,とりあえず写真に収めておきました。


後日,同じ株でメスを目撃。上写真の個体と同一のものでしょう。偶然,ほんの近くにオスがいるのを目撃。葉で影になっているため,互いに姿を見ることができそうもありません。「この2匹,うまく出合うのかなあ」「もしそうなら,なにを頼りに近づくのかなあ」。呑気に,そんな想像を巡らしていると,……。

するするっと,オスがメスに接近していったのです。もしかすると,もうすこし離れたところで姿を認めて,わたしが見たときは近づいていく途中だったのかもしれません。そうしてオスがメスのところに着くと,オスはパッと背中に乗りました。その早業に,わたしは仰天。ペアが成立して交尾が始まったのです。

このとき,2匹は地面に横たわったかたちになっていました。 


写真ではうまくとらえ切れない位置だったので,葉を横にやってから改めて撮りました。 


こうやっても,ヨモギハムシのペアはお構いなしで,そのままの格好でいました。

一連の観察結果からは,ヨモギハムシが成虫越冬と卵越冬をすることがわかります。偶然の出来事との出合いは,新鮮な生物的事実を教示してくれました。