自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヤマトシジミ,蛹化へ。そして羽化へ(1)

2013-09-29 | ヤマトシジミ

ヤマトシジミの幼虫はほんとうに目立ちません。カタバミにいるのを探し当てるのは相当に苦労します。成虫がたくさん舞うことを思えば,幼虫だって相当数いるはずなのに,なかなか見つかりません。

わたしは今,卵が孵化した時点から幼虫を飼っています。それが成虫になるまでをたどろうと思っているのです。これまでにも羽化場面を撮影済みですが,まだ,記事としてはまとめ切れていません。まとめないままに,別個体で蛹化への姿をご紹介することにします。次々に変化が現れたり,発見があったりするので,記事内容の生じた月日と記事アップ日とが時には大幅に前後してしまうことを,ご了解ください。

昨日,つまり9月28日(土)のこと。ポットに植えたカタバミから降りて,飼育箱の中を歩き始めました。体長1cm。これはもう,蛹化を間近にした行動に違いありません。

それで,台に載せて至近距離から撮影することにしました。じつは,この幼虫は蓑の傘を頭から被ったような姿をしていて,頭がなかなかうまく観察できません。動きはたいてい緩慢で,観察のタイミングをつかむのはかなり困難を極めます。

下写真のように頭が見えるのは,珍しいほどです。 

歩いていると思うと,途端に頭を蓑の中に入れて静止します。こういうしくみは,頭を保護するのにきっと役立っているのでしょう。 胸脚が6本揃ってすっきり見えます。カタバミで生活しているときは,葉や茎に取り付いているので,こうしたからだの様子を窺い知ることはまずできません。

こうしてこの日の撮影で,からだのしくみについていくつか合点できたのでした。

できればカタバミで蛹化してほしいので,ポットに戻して成り行きを観察することにします。  

 


ジャコウアゲハ観察記(その278)

2013-09-29 | ジャコウアゲハ

接写撮影をしていると,「ほほう!」と感心をし,合点もする場面によく出合います。「なるほど,そんなふうになっているのか」という,驚きなり発見なりを体感したときの味わいとでもいえるでしょうか。

最近では,羽化の瞬間を待ちながら,うんと近づいて蛹の殻のその奥を観察していて,ここまで透き通ってはじめて羽化の準備が整うのだなと思ったときなど,その例です。成虫の体表と,殻との間に空気層ができて,口吻や脚,触覚,それに複眼が確認できるようになります。

体毛がはっきり見えるようになります。それはまた,観察者にとってはそうならなくては羽化が始まらない目安にもなります。

間もなく羽化だなと予感したときでも,2,3時間目を向けて待ち続けなくてはならない,そのようなことはいくらでもあります。いのちを巡る変化は,そう簡単に単純に訪れるものではないということでしょう。

それゆえに,ただひたすら待つ続け,タイミングよく撮影できたときは,アゲハのいのちに付き合えてなんだかハッピーな気持ちになります。充実感がジワーッと広がります。

この日,誕生の一瞬を見るのに結局2時間じっと待ったのでした。