自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヤマトシジミの卵と1齢幼虫と(前)

2013-09-12 | ヤマトシジミ

自宅庭に置いていたプランターにカタバミが生えていたので,引き抜くときちょっと葉の裏側を見ました。すると,たくさんの卵が産み付けられていました。もちろん,ヤマトシジミです。

それをコップに挿して置いていると,孵化が始まりました。孵化の瞬間をなんとか撮りたいと思っているのですが,その願いは叶っていません。それほど,孵化のタイミングを推し量るのがむずかしい卵です。

さて,おもしろい場面を二つご紹介しておきましょう。

その1。一箇所に二個の卵があること。わたしは,これまで卵は一個ずつ独立して産み付けられるとばかり思い込んでいました。ただ,これらの卵は同一個体によって産卵がなされたのか不明です。もしかすると,別々の個体が偶然同じ場所に産んだのかもしれません。その確率は少ないでしょうが。

下写真は卵のかたちと白さを強調しようと思い,光量をうんと絞って撮ったものです。直径0.55mmの世界に,実に細かな模様が隠されています。

 

その2。幼虫は葉の裏を食べながら突き進むこともあるということ。これまでの観察だと,一箇所を食べ始めたら周辺を食べるという傾向にありました。前に進みながら食べると,ちょうど道が残されます。それはまるでハモグリムシ(葉潜虫)を思わせます。写真の個体は体長が1.5mmの1齢幼虫なので,ルーペで観察しないと目に入らないでしょう。肛門付近にたくさんの糞が付いているのは微笑ましい光景です。

表皮を残す場合とそうでない場合があります。結果を見ていえることなのですが,残すと,からだの姿勢がうまく保てます。表皮まで食べると,上のような移動はできないでしょう。

この日に見かけた姿をいくつか。茎を伝って移動します。意外と速いので驚きます。 

葉の表にもいました。体長は2.5mm。近くに糞が転がっています。さて,この個体が出したものでしょうか。

関心を向けていくと,いろんなことが見え始めます。

 


ジャコウアゲハ観察記(その270)

2013-09-12 | ジャコウアゲハ

素焼きの植木鉢を見ると,ジャコウアゲハの幼虫が脱皮を終えようとしている,まさにその瞬間でした。脱がれた皮の先には臭角がはっきり見えます。それに頭は初々しいオレンジ色で,先には4齢幼虫期の頭部の殻が付いています。 

ところが,どうもおかしいのです。いくら経っても,皮が脱げません。そのために,もがいている様子。からだを浮かしたり,右に行ったり,左に行ったりしています。しかし,尾脚部分が鉢に付いた状態で,からだが抜けてしまわないのです。あともうすこしで,脱皮が終了するというところです。ふつうこんな風景を見ることはありません。

これは明らかに異変です。 

 

たいへんな状況ですが,どうしようもありません。観察者としては,あるがまま,なるがまま,です。

難関を抜け出すには時間がかかると思われたので,しばらくしてから再び見てみようと思いました。そうして20分ほど経過したでしょうか。行ってみると,うまく脱皮できて,頭を上に向けてじっとしていました。脱ぎ終わった皮は,地面に落ちていました。幼虫は相当に疲れたはずです。結果はOK! よかった,よかった。

これでなんとか終齢幼虫の段階を迎えることができました。