自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その267)

2013-09-06 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの蛹化場面を撮影していて,ふしぎな事実に出くわしました。それを入れて,一連の変化を載せておきましょう。

篠竹に付いた前蛹。蛹化への脱皮が順調に経過していました。

皮を脱ぎ終わった途端のこと。ここで,困ったことが起こりました。偶然,尾端が外れてしまったのです。それで,からだは宙ぶらりん。わたしには初めての事態でした。「これはかわいそうに。でも,こんなことがありうるのが自然界なので,大丈夫だろう」と一瞬思いました。そして,そのまましばらく見ていました。

宙ぶらりんになったまま,皮を落とそうとしました。しばらくやっているうちに,落ちていきました。すると,ふしぎなことが! 尾端がまた元どおりくっ付いたのです。まるで何事も起こらなかったかのように。軟らかい尾端に接着力が備わっているとは! 万一に備えた策がちゃんと準備されていたのです。まったく大したものです。

「ほっ。よかったー!」。ヤレヤレです。

尾端の位置は,元とはすこしずれています。しかし,接着していればそれで十分。何事もなかったかのように,蛹は静かにからだを休めていました。 

 


ヤマトシジミと卵(続々)

2013-09-06 | ヤマトシジミ

ヤマトシジミの卵が付いたカタバミの茎を水に挿していると,やがて色が変わり始めました。すこし灰色っぽくなってきたのです(下写真の左側の卵)。直径0.55mmの世界の出来事です。

真横から見た画像を部分拡大してみると……。たしかに灰色がかっています。

それで,もっと置いておいて,いったいどんなふうに変化していくのだろうか,できれば幼虫が出てくるまで追ってみたいな,と思いました。理想的なのは双眼実体顕微鏡ででも観察しながら撮影することですが,そんな重宝なものは持ち合わせていません。それで,ルーペで眼を凝らすしかありません。すこしの変化をも見逃さないように注意深く,注意深く。

ところが,翌日,見るともう孵化済み! あ~あ,残念!

幼虫の体長は1mm弱。それでも,からだを覆う長い毛がはっきりわかります。これが卵から出てくる場面が見たかったですね。