hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

Concours de Dinant 5

2006-11-12 18:51:18 | sax_ディナン
コンクールが終わり結果が出た。
結果はこちらからご覧ください。

今日は早朝4時半に起きてネットにつないでみるも、既に回線がパンクしており、諦めて8時頃に速報を見て結果を知った。

そして今朝、貝沼君から電話をいただいた。
本番、打ち上げ、帰り支度など、いろいろ慌しいと思い、手短に話しを済ませた。

貝沼君が審査員の野田燎先生に講評を仰いだところ、それぞれの審査員から色々な意見が出て、その中には貝沼君を強く推した先生もいらしたそうだ。
とはいえ国際コンクールではよくあることで、本選という場では、「上手か下手か」といった技量の問題などなく、皆上手なのだ。
各国の審査員が様々な視点から吟味し、このコンクールに於いて誰が、どの順位に相応しいのかといった判断が成されるのだと思う。

彼がこの順位をどのように受けとめるのかは定かではない。
しかしこれまで管打コン2回、ノナカサクソフォーンコンクール、そして今回のディナンと、ことごとく入賞し続けている。
自分の好き嫌いに関わらず、与えられた課題をこなすことはかなりの技量を要し、そして何より強靭なメンタルが必要なのだ。
そして常に入賞し続けるということは、それ自体驚異的なことで、まさに彼は真のプロなのだと思う。
これだけのコンクールの課題をこなすだけでリサイタル何回分のレパートリーになるだろうか。

ラーションは近年見直されて(高音域を演奏できる人が増えてきたためか)、関心をもたれているようだが、私自身は、今回の本選でフランス人二人が演奏していたエスケッシュの「暗黒の歌」(Chant des Tenebres)に興味を持った。
この曲は7月に行なわれたスロベニアのコングレスで、ミーハ・ロギーナ氏がパリ音楽院のサックスアンサンブルと共に演奏し、かねてからオリジナルの編成で聴いてみたいと思っていたのだ。
この曲は、これから新しいレパートリーとして定着していくのではないだろうか。

ひと段落した国際的なサックスのお祭に思いを馳せて、また4年後を楽しみに待ちたいと思う。