hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

Neunte Symphonie

2006-11-22 23:34:11 | 日常
今日は洗足の補講日。
朝から晩までレッスン室にこもりきりだった。

よくあることなのだが、前に使った人の忘れ物がレッスン室に残っていた。
覗いてみると、第九の1stフルートのパート譜だった。
レッスンか何かで使ったのだろうと思う。
そういえば今年は洗足でも第九をやるのだ。

意外と思うかもしれないが、私は子供の頃からベートーヴェンが好きなのだ。
それほど知識がある訳ではないが、それこそ大昔、子供向けの伝記ならまんべんなく読んだというくらい。
交響曲のポケットスコアも第一から第九まで全部持ってる。
そういえば、それに付いてる作曲背景や楽曲解説ならまんべんなく読んだ。

小学生の頃、ラジオでベートーヴェンの交響曲全曲が数週に分割して放送されたことがあり、それをカセットテープに全部録音してよく聴いていたことを思い出す。

スコアを見ながら第一番から順番に聴き、まず運命、田園で度肝を抜かれた。
それは音楽の内容というより、これまで無かったピッコロとトロンボーンが編成に加わったことや、「苦悩から歓喜へ」といった負から正へと移行する構図、楽章をattaccaでつないだこと等、次々と飛び出す新しい手法に、子供ながら大変感動したのだ。
そして最後に聴いた第九は、冒頭の完全5度を聴いた瞬間(子供の頃、音程の知識など無かったが...)から、これまで以上の新しさを感じた。

その頃は、将来指揮者かオーケストラの第一ヴァイオリン奏者になりたいなどと思っていたが、歳を重ねるにつれ現実的に遠退き、今となってはオーケストラ自体から遠い立ち位置になってしまった。
音楽に携わっているということだけでも大変幸せなことではあるが。

しかし、完全に諦めたわけではなく、いつか第九の合唱パートを歌うことを目標に、密やかに少しずつ音取りしている。

副科に声楽科の学生がいて、今度の第九演奏会では合唱ソプラノパートを歌うそうだ。
高音「ラ」が大変なのだが、がんばって欲しいと思う。