浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

障がい者の性

2006年07月05日 | 福祉

今日はちょっと重たい話題を。

僕は福祉関係の仕事を始めてから約10年が経ちます。これまで様々な人の人生に関わってきましたし、その人生の最期の場面に立ち会ってきました。若輩者の僕が人生を語れるわけもありませんし、自分の人生についても自信があるわけではありません。でもやはり同じ人生など存在しないことだけは分かります。

以前の話ですが、僕の勤務する職場に高齢者の夫婦が入所してきました。男性は脳梗塞の後遺症で軽い麻痺がありました。女性は身体は元気ですが、認知症がありました。でも仲の良い夫婦でした。ある夜のこと、見回りをしていると、夫婦は性行為をしていました。僕はとても驚きました。そして、そのことを一緒に夜勤をしていた年配の看護師に報告しました。すると、「他の人から見えないようにして、本人たちの自由にさせてあげて」との指示でした。その時の僕は、施設内での性行為なんて許されるものではないと思っていましたし、その指示に対してモヤモヤとした思いを抱きました。

これはまた別の時ですが、ある雑誌を読んでいると、「障がい者のセックスフレンド」という記事がありました。記事の内容は、”心身に障がいを持っている人に対して、性行為というサービスを提供する人がいる”というものでした。障がいを持つことで異性との性行為の機会は明らかに減少し、或いは全く性行為を経験したことが無い人もいます。そういう人たちは、夜の街に行っても相手にしてもらえません。そこで、ある人が、そういった障がい者のために自分が性行為の相手をしますと話をしていたのです。この時の僕も好きでもない人と性行為をするなんて信じられないと思っていました。

しかし、年月を経て、様々なことを経験すると、自分の考え方がいつも正しいわけでは無いことを知りました。いくら歳を重ねても夫婦なんだから、性行為をしても不思議ではないし、施設だからといって、そこは人間としての行為を縛るべき場所なのだろうか。また障がい者という理由だけで性行為の機会が限られる人たちに、その場と機会を提供することは人間として間違っているのだろうか。

あなたはどんな答えを出しますか?そして将来の僕はどんな考え方をしているのでしょうか?