浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

大阿武船(おおあたけぶね)

2006年02月22日 | 因島

今朝の朝日新聞に「大阿武船解体へ」という記事が載りました。僕には大阿武船の詳しい知識が無く、説明は出来ませんので、簡単に説明させて戴きます。(詳しくはこちらをクリックしてください)

大阿武船というのは戦国時代に村上水軍という瀬戸内海を中心に活躍した水軍が所持していた大型船です。重さが100トン、全長が25メートル、定員150人と言いますから、当時としてはかなり大きなものだと思われます。

因島市(現尾道市)が約9年ほど前に宝くじ協会の助成金1億円を使って、村上水軍の歴史を伝えていこうと復元したものが、現在島内の造船所の敷地にて保管されています。実際に海に浮かんだのは数えるほどで、映画「あずみ」や大河ドラマ「毛利元就」に出演(?)したのが、一番大きな舞台だったのでしょうか。

実際に、この船の取り扱いに関する問題は随分と前から取り上げられていました。この船は戦国時代当時とは違い、内部に鉄鋼が使われていることでも文化的価値を落とすことやエンジンなどが付いていない(当たり前か)ため、動かすには数百万円かけて、引っ張ってもらわないとならないことなどが問題で、さらに現在は維持費として年間300万円ほどかかっているようなのです。

一時は、場所を移して展示する案やネットで引き取り先を捜したりしたようですが、うまくいかず、この度の尾道市との合併に伴い、解体されることが正式に決定(新年度予算に解体費として700万円が計上された)したようです。

因島の歴史がまた一つ無くなっていくようで、少々淋しい想いがしています。