らんかみち

童話から老話まで

王座戦に見た世代交代

2011年09月28日 | 暮らしの落とし穴
 将棋の7大タイトルの一つ王座戦が昨日終わり、渡辺竜王が王座を襲いました。羽生二冠が一回り以上も若い渡辺竜王に敗れたことにより、将棋界に世代交代の波が到達した印象を多くの将棋ファンが持ったことでしょう。(以下敬称略)

 さすがの羽生も今回ばかりはやられるだろうとぼくは思っていたし、その前の王位戦も羽生の負けと読んでましたが、それは良い意味で裏切られました。この歳になると、そうそう新しい将棋指しのファンにはなれないので、羽生を応援しておるのです。

 名人:森内。竜王、王座:渡辺。棋王、王将:久保。王位、棋聖:羽生と、7大タイトルを4人で分け合っている勢力図でも依然として羽生は最強だと思いますが、渡辺に弱いのには理由があります。

 渡辺は小学生名人戦で優勝し、当時の羽生名人に握手をしてもらいました。しかし谷川九段ファンの渡辺にとって羽生は谷川の敵役なので、握手をしてもらいながらも「プロになってこの男をやっつけてやる」と思ったのではないでしょうか。羽生のことを、谷川教を衰退に追いやった新興宗教の教祖みたいに見ていたとしても不思議ではありません。

 その羽生は中原世代なので、小学生名人戦で優勝して当時の谷川名人に「これから勉強していけばプロも夢じゃない」と激励の握手してもらいました。そのとき羽生は「中原先生をいじめる谷川なんてぼくがやっつけてやる」くらいに考えたのではないでしょうか。

 その谷川は大山康晴世代なので、「中原なんて……」と、いやこれは違いますね。谷川は「中原先生に名人のままでいてもらわなければ困る」と、中原をリスペクトしてましたから。

 羽生さんも41歳。男ってのは40台半ばから急激に衰えますからね。谷川さんも40歳を少し過ぎたころからタイトル戦で勝てなくなったどころか、登場すら出来なくて今に至っています。
 まあしかし今回の王座奪取は羽生さんが弱くなったというより、渡辺さんがハブ退治からハブ料理のコツをつかんだのではないでしょうか。世代交代と言い切ってしまうには、まだ少し早いような気がします。

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