らんかみち

童話から老話まで

葬式まんじゅうの思い出

2015年01月24日 | 暮らしの落とし穴
                

 子どものころ葬式に出たら「葬式まんじゅう」をくれた。村の和菓子屋さんが作っていたと思うけど結構おいしく、親戚でもない人の葬式に参列してもらっていたんじゃなかったかな。

 もしかしたら葬式まんじゅうは、棺を担いで村を練り歩く葬列に子どもを参加させるための駄賃だったのだろうか。まんじゅうに興味がなくなったころ、それがいつか分からないけど、気がついたら葬式まんじゅうを配る風習は廃れていた。

 本日の伯母さんの葬儀は、一昨年に亡くなった叔母が酷暑という試練を与えてくれたのとは打って変わり、風のない暖かな快晴の下だった。穏やかな人柄だった伯母さんに似つかわしい。
 お骨上げを待つ間に食事をいただく。大食いタレントならいざ知らず、このボリュームを完食できた人はいなかった。

 もったいないから持ち帰りしたんだけど、ディナーにいただきながら、どら焼きが入っていることに気付いた。いや、どら焼きは葬式まんじゅうの名残じゃないかと気がついた。
「これって葬式まんじゅうだよね!」と、会食のときに気がつき、はしゃがなくて良かったよ。