らんかみち

童話から老話まで

救命の練習は永遠に続く

2013年12月07日 | 暮らしの落とし穴
 はぁ~燃え尽きたぁ……防災士の講習会で。試験は簡単だったけど、予想問題なんか解いている人がいるくらい皆さん一生懸命なんだわ。
 一人頭6万円の費用を自治体が負担しているわけで、疎かにできるもんじゃないよね。まかり間違って不合格にでもなろうもんなら末代までの恥辱であるのはいうまでもなく、「自治会費泥棒」呼ばわりされるのは必至。プレッシャーを感じるなという方が無理というもの。

 防災士試験の後は普通救命士講習。救急車に乗務している人たちによる、AEDを使った人命救助の講座は難しくないけど、心臓が止まっている人を目の前にして動転するなというのは、慣れないと厳しいだろう。
 心臓マッサージや人工呼吸の練習ができる人形を使い、明るく楽しい訓練にしよう、というのがコンセプトみたいだけど、所詮は練習用の人形だ。痛みを訴えるでもなく血を流すこともない人形を相手に練習するのは、普通救命士講習ならではのこと。

 人は忘れる生き物だから、というより世の中が複雑になってきたから、税金の申告やなんかと同じように、応急処置の練習も続けていないと忘れてしまう。所詮は応急処置なんだけど、この夏のことを思い出すと……。
 叔母が倒れていると聞いて駆けつけたとき、あぁ、もう何もできない、とすぐに悟った。冷たくて硬くなっていたら、だれだって手遅れだと直感するはずだけど、それでも何かすべきだったんじゃないかな。救命処置ってのじゃなく、何かできることを探すべきだったんじゃないかって、今でも後悔している。