らんかみち

童話から老話まで

スズメバチの女王さま捕獲作戦

2013年05月02日 | 暮らしの落とし穴
 先日の遍路日和にオオクロスズメバチがお堂の中に飛び込んできた。こ、こいつは女王様かいな、ヒエー! 日本熊森協会さんの耳にでも入った日にゃコトだな、と怯えながらの所行なので大きな声では言えないが、オオクロスズメバチの駆除に乗り出した。
 駆除といっても巣を見つけて取るようなマネはできん。それのみで生業が成立するような危険な作業にに身をさらす勇気はない。この時期に飛び始めるという、女王蜂を誘引して捕獲する作戦を選んだ。

 まずは料理酒、酢を買い、それらを混合して砂糖を溶かす。割合は、酒2:酢1:砂糖1と、NHKさんが紹介していた。地域によってスズメバチの嗜好に差があるらしく、この割合がベストというわけじゃないのだとか。
 ということは、青森のリンゴ農園の付近ではリンゴ酢を用いるってことかな。甲州ののブドウ畑周辺では日本酒の代わりに葡萄酒を使えってことかな。スズメバチもなかなかにグルメじゃないか。ちなみに酢を入れるのは、ミツバチをターゲットにしないためだそうな。

 誘引液ができたら、ペットボトルでトラップを作る。2リットル、1.5リットル、500ccの三種類で作ってみた。作り方といっても、ペットボトルの上部に15~20mm程度の四角い穴を開け、雨除けのために切れ端を残して屋根にしたら出来上がり。その数は2つから4つで良いとのこと。ペットボトルの口に吊すための紐を巻いたら完成。



 トラップを吊す高さは1.5mから3mとのこと。スズメバチは低空飛行をしたがらないというのと、人の背丈にあると危険だからということか。それと、設置にもたついていると蜂がやって来て危険なので、気温の低い朝晩が安全らしい。また、巣があると思われる周辺に設置するのもヤバイんだとか。



 罠を仕掛けて今日で三日目。5か所に設置した内の2本に合計5匹が入って溺れていた。これが女王様か、でかいぞ。働き蜂と女王蜂の見分け方は知らないんだけど、この時期に現れるのは越冬した女王蜂だけらしい。これで5つの営巣を未然に防いだのかというと、全ての女王蜂が巣作りに成功するのではないのだとか。



「駆除」と聞いただけで反射的に拒絶反応を示す人もいるけど、スズメバチに刺されたら死ぬからねぇ……。植物も含め、生態系の中の生物の全ては何らかの存在理由があるはずで、人にとって危険なスズメバチもマムシも何かの役に立っているのは間違いない。だから駆除っていう言葉は使いたくないので、間引きとでも呼ぶかな。それも変か……。
 昨日マムシも現れて驚いた。その前はムカデが洗濯機に入っているのに気づかず、脱水が終わって干そうとしたときに発見。さすがに目を回していたようだったけど、しっかり生きていた。

 スズメバチは蜜を蓄えないから、「クマの好物が無くなるじゃないか」と日本熊森協会さんから指弾されることはないと思う。マムシを駆除しても怒られないと思う。
 いやそれどころか、「マムシを生け捕りにしたら買ってやろう」という人までいる。スズメバチの幼虫が働き蜂に与える液体は「スズメバチアミノ酸混合液」というものらしく、科学的に合成したものがサプリとして売られている。
 もしかしたらムカデからも有用な化学物質が見つかる日が来るかも知れない(漢方薬として認知されているのは知らなかった)。だけどぼくは今はまだこいつらを愛することができない。頼むから駆除をさせてくれ~!