らんかみち

童話から老話まで

教えてください、真珠のようなこの植物

2010年04月25日 | 酒、食
 リオ・デ・ジャネイロっ子がカーニバルのために一年間働くように、この島の人々は遍路市のために一年間働いているのです。そりゃ言いすぎだろうって声はあるかしれませんが、あながちオーバーだとは言えないほど島一丸となって三日間のお接待に明け暮れるのです。
 
 今年の遍路市は五月の二、三、四なんですが、当日に向けて花の苗を一年かけて用意する人、手造りの竹人形を削る人、ぼくみたいに蕎麦を打ってみようかと考える人(腰を痛めたので断念した)などなど、一年の総括というか、日ごろの想いをこの三日間に収斂して結実させるんだな、と思うほど島民は気合を入れるのです。
 
 本日はそのための草刈や溝掃除を村人こぞりて実施したんですが、ぼくも草刈機を振り回して、ただでさえ陶芸で酷使している腰にダメ押しを与えました。そのご褒美ってわけで、肉なんぞ食べて我が身をいたわってやろうと考え、牛タンのスライスを買いました。
 清水の舞台から飛び降りるつもりでステーキを買いに行ったまでは初心を覚えていたけど、帰ってみるとなぜかステーキでもローストビーフでもなく、牛タンだったのは情けない限り。でも焼肉とかに比べたらなんとなくヘルシーな印象じゃないですか。
 
 写真の真ん中にあるのは渋柿の若芽をてんぷらにしたもので、牛タンにトッピングしているのはバロック真珠……んなわけない。ニワトリじゃないんだから真珠なんか食えるかっての。
 ていうか、真珠ってニワトリが食って良いんだろうか。貝が作るんなら貝殻と同じてカルシウムかなって思いますが、だったら真珠玉子とか銘打って、真珠を食べさせたニワトリの玉子をプレミアム付きで売りたいよね、真珠どころの愛媛県人としては。
 
 どうでもいいことで悩むぼくですが、トッピングしているのはパールではなくラッキョウの一種だと思います。エシャロットをあげた人からお返しにもらったんですが、なんというものか名前は分かりません。至るところに自生しているようで、味はエシャロットの濃い感じで野趣にあふれています。柿の若芽ってのは特に味は無いんですが、揚げたてのサワサワ感はたまりません。
 この時期しか食べられないものって、それがたとえ草であっても、なんだか幸せ。只で手に入るから? ん~、それもあるかも!