らんかみち

童話から老話まで

難破も軟派も命がけ

2010年01月01日 | 暮らしの落とし穴
 皆さま、明けましておめでとうございます。本年もどうかよろしく……といより、母の喪中葉書を出し遅れてほとんどの方から年賀状をいただき、まことに申し訳もございません。
 しかし、年賀状はやっぱり良いもんですね。喪中葉書を出したらお気遣いの電話をもらったりするので、本人が元気なら慣例を破ってでも年賀を出すべきか……。
 
 今朝はお宮に陣取って、初詣の方々にお神酒をお接待したんですが、なにぶんにもこの寒さでこの田舎なもので、来られたのは十数人と寂しいものでした。中でもバカ兄が足腰立たぬほど飲んだくれ、べろべろになって石段を転げ落ちるように帰って行ったかとおもうと、血だらけになって家で死んで、いや寝ておったのは今年最初の凶事といえるでしょう。上の姉じゃないけど、死んでから死ぬほど酒をほど呑めるんなら、ほどほどにしとけって言いたくなります。
 
 村はといえば大荒れの昨日、釣り船が転覆して一人が保安庁に救助されたとか。ヘミングウェイの「老人と海」さながらに、村上水軍ゆかりの海賊の末裔たちは海と格闘したがっていけません。
 一緒に釣り船を駆っていた人によると、「海が荒れて、やばい! 思ってあいつより先に逃げ帰った。しかしあいつは魚がかかっておったか、ほんの少し逃げ遅れた、それだけの差で転覆したんじゃ」
 
 波の穏やかな瀬戸内ですらこれですから、ぼくみたいな気合の入ってない漁師もどきに釣り船を操ることができるんでしょうか。
「陸釣りせんかい」と、友人が難破ならぬナンパを勧めてくれるけど、それとて命がけらしい。なんにしても命を張らにゃ成らぬってことですかね、今年一年ぼくも命を張る覚悟がなきゃいかんのだが……。