らんかみち

童話から老話まで

耕三寺 千仏洞巡り

2008年10月05日 | 暮らしの落とし穴
耕三寺 千仏洞



 子どものころ、お寺にある地獄絵図が描かれた鍾乳洞のようなところに入った記憶があります。狭くて薄暗い上に地獄絵図ですから、子供心には十分なインパクトがあって、悪いことをしたら地獄に落ちてこういう目に遭わされるのかと、しばらく夢見が悪かったものです。それは耕三寺という浄土真宗本願寺派のお寺だと確信を持っていたので、ウォーキングのついでに1200円払って観てきました。
 
 ぼくが地獄洞だとばかり思っていたのは、とうやら千仏洞というありがたい名であったようで、洞に一歩入るなり御仏の像が所狭しと鎮座ましましておられます。そしてあの地獄絵図もありました、が……。今見ると陳腐というより、何かのプレイでもして楽しんでるのかな、と不謹慎な想像を巡らせてしまいかねないものでした。あれほど怖かったのに……。
 
 それにしてもぼくは耕三時をなめておりました。たかが田舎の寺だろうと思っていたのが大間違い。ゴルフでいうならミニコース一山分くらいの広さがあって、普通に見て回っても40分かかるそうです。ぼくはお山の中にあるレストランでコーヒーとパニーノをいただいたので、出るまでにおよそ2時間ほど費やしたようです。
 
 なぜパニーノ? といわれてもそこが伊太飯屋だったから仕方ありません。早い話が耕三時というのは、お寺に名を借りたテーマパークなんですね。住職もいないようですし、坊さんの姿も一人として見かけませんでした。
 平山郁夫さんの記念館が隣接していることもあり、ウォーキング大会の最中でもあったので、結構な人数が押しかけてました。ぼくも記念館に入ろうと考えていたんですが、待ち合わせしていたウォーカーが近づいているようだったので断念しました。
 
 ところで、この平山郁夫さんという名前が思い出せない観光客が多く、「横山大観だったかな、それとも東山魁夷記念館だったかな?」なんて声が聞こえてきます。横山、東山と巨峰があって、まさか平山がそれに続くとは誰しも考えつかないのかもしれません。
 念願だった地獄洞じゃなくて千仏洞にも入れたので、平山郁夫記念館には行くでしょうが、あのお寺を再び訪れることは無いでしょう。