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紙という素材の存在感をかんじた「美水円小品展」

2005年12月14日 20時35分23秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 札幌の美水円(よしみず・まどか)さんの個展を見に行きましたが、手漉きの紙の物質感というか、存在感があって、なかなか良かったです。

 「小品展」というと、売り絵っぽいイメージをもった人もいるかもしれませんが、いつものインスタレーションなどにくらべると小さめというだけで、貧相な感じはまったくありません。
 外光のたくさん入る会場にマッチしているように思えました。

 「KAMI」と題された、紙を何枚も積み重ねたような、壁掛け型の作品が20点。
 紙は地層のように折り重なって、染料であわく着彩をほどこされているものもあります。
 ただし、重々しさはないのが、紙らしいところです。
 下に置いた葉の文様を写し取った作品や、三角錐のように丸まった作品もあり、ひとつひとつがアクリルのボックスの中で、しっかりと存在感を持っています。
 
 ほかに 「KAMIに銅版画」「銅版画」が3点ずつ。

 独自の手法で作った紙の作品を’KAMI’と名付けた。

 パルプは時間とともに変化する。
 水をふくんだ鮮やかな色が陽射しや風を受け、白っぽくなってゆく。
 紙は乾燥までの長い時間を経てさまざまな表情を表す。
 つるりとなったり、凸凹になったりして、漉きおかれた場所を忠実に写し取る。

 心や体に直に届く質感や色。
 重ねたり、破いたりしながら’KAMI’を作る。


 上は、個展の会場に貼ってあったテキストです。

 ところで、カテゴリーは「現代美術」にしておきましたが、悩ましいところだなあ。美水さんはもともと版画の人だし。

 12月6日(火)~18日(日)、10:00~19:00(最終日~18:00)、紀伊國屋書店札幌本店ギャラリー(中央区北5西5)。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
よい展覧会でした。 (S-toshi)
2005-12-15 01:01:02
東京へ行く前になんとしても見ておかなくてはならない展覧会の1つでした。

カテゴリーに関しても、私は今回の作品を絵画の領域に含んでもよいのではないか?と「○○の場○」展への来年の展望として勝手にエントリーを企ててみたりなんかして・・・♪います。



余談ですが、銀座を歩いていると相変わらずの展覧会ばかりで(あえて東京での)個展の意義に疑問を感じています。何か企てた物でなければその価値を見出せなくなっています。

手前みそですが、北海道というか札幌のそれは決して見劣りする物ではなく、もっとアピールの仕方があるんじゃないか、と思っています。
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行きたいです~ (シダミ)
2005-12-15 01:15:40
親子共々、美水円さんのファンです。

作品見たいなあ…。。。
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北海道を売り出せ! ってことで (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2005-12-16 08:36:58
 S-Toshiさん、レス遅れてごめんなさい。

 美術ジャーナリズムってどうしても東京・関西中心ですからねえ。

 なんとか風穴を開けられないかとおもっている、きょうこのごろです。
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じつは、撮りたいのでは?(笑) (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2005-12-16 08:38:50
 シダミさん、ここでは初めまして、ですよね。

 お母さんもファンって、やっぱ、そーゆー芸術的な環境に育った人って、うらやましいですわ。
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