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■第71回方究會洋画展(5月19日で終了)

2007年08月25日 21時24分06秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 学生の団体をのぞけば札幌では最も古い歴史のある美術団体でしょう。1936年(昭和11年)に始まっています。
 なにがすごいといって、創設メンバーがなお健在で、会の代表として健筆をふるっていることでしょう。平野俊昌さんで、今回も3点出品しています。
 もうひとつ記しておくべきことは、このエントリをやっとアップした8月下旬、大同ギャラリーで、同会の初の小品展がひらかれていることです(23-28日)。70年余の歴史を刻んできた団体が、展覧会の回数を増やすというのは、じつはけっこう大きな決断といえるのではないでしょうか。
 この小品展でも、平野さんは、岸田劉生ばりの、磁器を題材にした静物画1点を出品しています。岸田劉生のようだというのは、その独特の、湿り気さえ感じられる質感の描写ゆえです。

 話を戻して、春の展覧会では、関建治さんの風景画にスケールの大きさを感じました。中景の林がサンゴソウのように赤くなっています。
 また、川村正男さんは欧洲の風景画3点を出品。ベテランらしい手堅さをみせています。
 南里葉子さん「カサブランカの詩」は、いすのビロードの質感がみごとに表現されています。
 このほか、横田章さん「晩秋閑日」、笹谷圭子さん「アンコールワット」にも注目しました。

 
 出品作は次のとおり。特記していない作品は、油彩。
池田三枝「慶び」(F30)「緑の壺」(同)「H18.12.3 富士山」(F8)
川村正男「カテドラルのある風景」(F30)「南仏カーニュ風景」(同)「フィレンツェ風景」(F10)
杉本セツ「北の恵み」(F30)「春の訪れ」(同)「ミニカボチャ」(F10)
小林耀子「奇岩の住家」(F100)
笹谷圭子「一服しましょう」(F30)「アンコールワット」(同)
関 建治「夏の厚田漁港」(F10)「早春の竹山高原」(F60)
高橋芳夫「然別湖晩秋」(F20、水彩)「サルコニヤの浜」(同)
千葉久信「柏林」(P40)「夕張岳早春」(F20)「バラ」(F6)
南里葉子「ランプと紅花」(F30)「カサブランカの詩」(F60)「バラ」(F10)
平野俊昌「白い帽子」(F20)「追想」(F10)「ユリ」(F6)
福家久美子「銅器と果実」(F30)「晩夏の花」(同)「ひまわり」(F10)
増田正子「水匂う原野 I」(F30、水彩)「水匂う原野 II」(同)「静物赤いつぼ」(F8、水彩)
宮崎君子「りんごとつぼ」(F20、水彩)「2月のアネモネ」(同)「ヒヤシンス・いろいろ」(F10、水彩)
安河内太郎「花瓶と女」(F20)「横たわる女」(同)「赤いガータをした娘」(同)「庭先で」(F10)「女 A」(同)「女 B」(同)「女 C」(同)
吉岡良子「花のある静物」(F40)「スカーフをした少女」(F30)「新緑」(同)「窓辺」(F10)
横田 章「晩秋閑日」(F50)「春嶺」(P20)「早春スケッチ」(P10、水彩)
渡辺弘子「流氷去って」(F40、水彩)「早春の山」(F30、水彩)「秋の静物」(F10、水彩)

 このほか、芸術院会員で、方究会の名付け親である故中沢弘光の「舞妓」(F4)が特別に展示されている。 


07年5月14日(月)-19日(土)10:00-18:00
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

第70回記念展(06年、画像なし)

 グループEG展、きしおみちこ個展、新麓樹会展も同時開催でした。


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