『Good night! Angel』1巻 (柊ゆたか 先生)
友達いない女子高生の正体は・・・ 殺し屋!?
高校入学を機に、友達づくりを始めた彼女の生活は前途多難であるものの、
何だかんだで楽しくすごしたり、謎の敵が迫ってきたりな日々を描いた4コマ作品です。
【エンジェルと呼ばれる少女】
●主人公:境川ユリ
高校生になったばかりの少女・境川ユリ。
1人暮らしを始めたのですが、それは“過保護”な母親から離れるためなのだとか。
そんな一見可愛らしく、ごく普通の少女にみえるユリさん。
しかしその正体は、プロの殺し屋だったのです・・・?
全身を黒スーツに包み、ヒットガールとして活動する少女。
“エンジェル”と呼ばれる彼女こそ、境川ユリの真の姿であり、
もっぱら悪党といわれるような連中をターゲットに、“仕事”を行う暗殺者。
しかも、業界(?)では名を知られるほどのスゴ腕らしいのですが、
普段の彼女からは、そんなそぶりが微塵も感じられないところが面白味。
べつだん無力を装っているとかではなく、素の彼女はごく普通の女子高生なのです。
そんなユリさんの表の顔(女子高生)と、裏の顔(殺し屋)の
2つの生活が描かれた物語となっているのが本作品であります。
【友達つくって普通の高校生活を送りたい!】
●友達いないユリさんの友達づくり
殺し屋として活動してきたユリさんには、友達がいません!
小学校・中学校と、孤独にすごしてきたぼっちさん・・・ それが境川ユリなのです。
なので、友達がほしい!
けれども、クラスメイトに話しかけられるだけで緊張しまくり。
あいさつ1つでさえ、「ミッション」として大げさにとらえる彼女の言動も、面白さの1つ。
友達つくろうと奮闘するユリさん、けなげで可愛らしいです。
大沢佳奈さんと畠山寧々さんも、それぞれ個性的で楽しいうえに、イイ人たち。
ユリさんにとっては最有力の友達候補で、
いかにして放課後の“むすバーガー”に誘うかとか、パジャマパーティーしたいだとか、
友達づくりの妄想ふくらむユリさんが、微笑ましかったり可笑しかったり・・・
私などは、この2人とユリさんのやりとりは、かなり好きですね。
いわばユリさんにとっては、「普通の友達」になれそうな人たちですから。
●普通じゃない人も・・・?
その一方で、謎の転校生・白霜あやめさんも登場。
ユリさんの平穏な日常をかき乱す彼女。
本作品では、ある意味ユリさんに一番「近い」存在かもしれません。
立場的な意味でも、物理的な意味でも(ぇ
ユリさんにストーカーのごとく付きまとうあやめさんの行動と、
そんなあやめさんに翻弄されるユリさんの慌てっぷりなども、面白いところですね。
白霜あやめは、なぜ境川ユリに執着するのか・・・?
このあたり、やや“百合っぽさ”を醸し出しつつ、
2人の関係が、あやめ⇒ユリに対して、ユリさんは拒絶する方向である点に、
なかなか趣深いものがあるように感じます。
このユリさんとあやめさんとの関係も、1つの見どころかもしれませんね。
まあこの後、登場人物がわんさと増えて、ちょっぴり埋もれたようになってしまいますが(^^;
【戦いと日常】
●迫りくる謎の敵
楽しい日常生活だけでなく、殺し屋にふさわしいバトルも!
突如襲ってくる「敵」との戦いなども描かれる本作品。
学校生活を中心とする友達づくりと、殺し屋としての活動、敵との戦い、
そんな表裏のメリハリが、緊張感や楽しさをバランスよく感じさせてくれる要素となり、
読み手を飽きさせず、物語に引き込んでくれるように思います。
「おやすみなさい」 それは相手に対する“別れ”の言葉・・・
境川ユリの友達づくりの日常や、敵との戦いという非日常が、
面白おかしく、ときに緊張感を伴って描かれる4コマ漫画『Good night! Angel』。
「まんがタイムきららミラク」にて連載中。
本誌コミックス化作品の第1弾(ほかに『純粋欲求系リビどる』)として発売中!
柊ゆたか先生による美麗な絵柄、
躍動感あふれながらテンポよく進行する物語、
4コマ漫画としても、1シーンごとの「オチ」が笑いをもたらす秀逸さ、
はたしてユリさんは友達をつくることができるのか?
謎の敵の脅威をはねのけることはできるのか?
全てが面白さとなっている本作品、期待の1作です!
【追記】
すごく大事なことを忘れていましたが、本作品は、基本的にはコメディ4コマ作品です。
殺し屋という素性を隠して学校生活を送るユリさんの、ズレた感覚・行動が面白味。
そんな彼女が友達を作れるのか? 普通の女子高生としてすごせるのか?
躍動感あふれた楽しい雰囲気が満載ですので、気になる方は、ぜひともご一読を!