『恋愛ラボ』11巻 (宮原るり 先生)
作者は、宮原るり先生 (サイト:ヘッポコロジー)
表紙は、エノ&ハル会長!
11巻では、この2人をメインに話が進みつつ、
マキの変化や、リコの過去についての話などなど、
それぞれの恋愛模様が繰り広げられています。
が、そこに暗雲が立ち込めて・・・?
【エノとハル会長】
●メールを通じて深まる関係
2人のメールのやりとり。
生徒会の交流で行われていたメールのやりとりから、
いつの間にやら、2人の交流が始まることに・・・
そこでハル会長は、エノに相談相手を頼んだことで、
エノが大喜びしていたのは、微笑ましかったですね~。
好きな人とメル友になれたことで、より一層の結びつきを感じられる
ということでしょうか、メル友になったと、生徒会で自慢する所が面白かった!
浮かれて調子に乗るあたり、エノらしくて可愛いかも?
●自信のなさと叱咤
ハル会長の悩みと、エノの励まし。
「いい人」で知られ、人望があり、いつも笑顔で温和なハル会長。
しかし、そんな彼にも悩みがあって・・・
エノとのメールのやりとりでも見られた、ハル会長の自信のなさ。
それは、ヤンに対して感じるコンプレックスが原因というから、根が深い。
優秀な補佐がこなす仕事量に引け目を感じ、自分が役にたっているのかと
疑問に思っているあたり、彼の責任感の強さが見える気もしますが、
それだけに、ヤンにおんぶ抱っこになっている状況を申し訳なく思っている様子。
けれど、そんな自信なさげなハル会長に対し、
エノが一生懸命になって励まそうとするのは、けなげでしたね~。
彼の自己評価の低さに、いらだちを覚えてしまうエノ。
そこには、ハル会長の境遇を、かつての自分に重ねている部分もあって、
ゆえに、思わず説教モードに入ってしまいっていたのも、うなずけます。
けれど、この“説教”は、彼への励まし。
ハル会長を思えばこその叱咤であって、決して不快なものではなく、
だからこそ、ハル会長もエノの言葉を、きちんと受け止めることができたのでしょう。
そんな風に、見事にかみ合った2人のやりとりが、楽しかった!
エノは後悔してましたけど、ハル会長に自分を大きく印象付ける一歩になったはずで、
これからの2人の関係がどのように変化してゆくのか、気になる所です。
●マキへの心情
エノのマキに対する想い。
そして、ハル会長への説教で語られ、「おまけ」で描かれていたエノの心情。
こちらは非常に興味深かったですね~。
マキの姉・夏帆に憧れていたエノは、その妹であるマキに対しても、
尋常ならざるほどの好意を抱いていた様子。
そうした無垢な好意の向け方が可愛らしかったりもしましたけど、
かつて生徒会を去ったエノが、マキから逃げ出し、彼女を1人にしたことについて、
自分の口から語っていたのは、印象深い場面でありました。
このあたりは序盤の話でしたけど、エノがしっかりとマキのことを気にかけていたと
わかったことで、長い間、のどに刺さった小骨が取れたような爽快感を覚えましたね。
エノのマキに対する信頼、親愛、かつて感じた後ろめたさなど、
諸々の心情が感じ取れて、素敵でした。
【その他の動き】
●リコ&ナギ マキ&ヤン
メイン2組の動きも気になりますが・・・
リコの方は過去話が、マキの方はヤンを意識し始めている様子が、
それぞれ楽しかったり、先行き不透明な状況になったり。
小学生時代、誰かを好きになったと思ったら、すぐ別の男子を好きになるリコ。
それにいらだちを覚えていたのは、ナギだけでなく、ヤンもだったというあたり、
なかなか気になる所ではありました。
ただ、ヤンの方は、リコが昔とは違うことを悟っている一方で、
ナギの方は、いまだに「告白」のことを引きずり、過去に囚われている様子。
そのことを、ヤンが「意外と面倒」と評していたのは面白かったですね。
●スズ&レン サヨ&ユウ
自信のなさへの励ましと、再会エピソード。
スズとレンのやりとりでは、スズがなぜ自信を持てないかを、
レンくんが的確に読み取って、一見冷たい言葉を浴びせつつも、
きちんと励ましていたのが、爽やかでしたね。
エノとハル会長とは立場が逆でしたけど、自信喪失している相手を
叱咤しつつ励ます・励まされる感覚は、共通して素晴らしいものでありました。
そしてサヨの方は、ユウくんと再会したときのエピソードが意外なもので、
思わず「うひょー!」でしたね!
エノ曰く「そのまま抱きつきかねない勢い」だったとか、レアなサヨの姿に乾杯!
まあ、今では後悔しきっていて、本気で嘆いているのは笑いましたけど(^^;
●そして・・・
リコの記憶。
ナギから告白されてフッたという記憶は、リコにはなかったものの、
リコ母・由美子さんは覚えていて、ここでのやりとりが素敵でしたね。
由美子さんは、子供の頃の告白が「大事なこと」だと述べ、
だからこそ、ヒントを出しつつも、リコ自身が思い出すようにと促していたのが、
とても好印象・好感触でありました。
子供であっても、恋心は本物で、それを受け止める側にも真摯さが求められる
といった姿勢に、感服してしまいましたよ。
そして、ある写真をきっかけに、ついにリコの記憶が・・・?
なんて展開に、今後を期待せざるを得ませんね。
また、「あとがき」にもあるように、これにて文化祭ふくめ、
様々な“準備”が整ったわけで、次巻ではいったい何が起こるのか?
エノとハル会長の間に立ち込める暗雲、マキとヤンの間の行き違いからくる誤解、
サヨとユウくんの関係に進展はあるのかどうか・・・ などなど、
リコ以外にも気になる要素は色々で、はたしてどうなってしまうのか?
諸々気になりつつ、次巻も楽しみです!
【まんがタイムスペシャル 連載時感想】
2014年10月号 “魔術師”ヤン爆誕! そして、リコとナギの過去
Specialへいつ復帰なの?
『みそララ』は「まんがタイム」に掲載されていましたので、
再開も「スペシャル」ではなく、「タイム」になるかと思われます。
ただ、再開時期については、現在お忙しそうですので、
まだまだなのかな~と。
とはいえ、いつか再び続編を読みたいものです。