五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 『恋愛ラボ』10巻・感想 文化祭へ向けて恋の予感

2014年09月07日 | ◆4コマ漫画 感想

『恋愛ラボ』10巻 (宮原るり 先生)

 Lvlb10

 作者は、宮原るり先生。 (サイト:ヘッポコロジー

 文化祭へ向けて、着々と準備を進める藤女生徒会。

 そんな中、南中とのつながりも強くなり・・・?

 表紙デザインも今までと違ったカラーなのは、マキにとって重要な巻だからでしょうか?

 ますます加速する恋の予感が気になる10巻です!

 

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

【それぞれの恋模様】

 Lvlb10_p016_2  Lvlb10_p018_2

 マキとヤン。

 10巻のメインとなったのは、表紙の2人。

 文化祭へ向け、藤女と南、両中学の橋渡し役として

 綿密に連携していましたけど、何やらマキに大きな変化の兆しが・・・?

 

 のどに覚える違和感。

 それは、リコがヤン、ヤンがリコの話題を出したとき、発生するもの。

 2人が相手のことに言及し、とくに相手を理解していると示す際に、

 マキは気持ち悪さを感じるようで・・・ つまりこれは、ヤキモチということなのでしょうね。

 

 このことは、マキがヤンに恋愛感情を抱き始めていることの証。

 今まで恋に恋する少女だったマキが、ついに本当の恋を知るのでしょうか。

 自覚はないけど、心は反応してしまうあたりに、初々しさを感じてしまいます。

 ただマキは、ヤンがかつてリコを好きだったと思っている様子。

 ヤンは否定してますけど、これは私もそう考えている(ヤンも自分の心に無自覚)ので、

 このへん、どう展開してゆくのかには注目したい所です。

 

 というのも今巻にて、ヤンは学ランの貸し借りから、リコはナギを好きなのでは?

 と気付いているのですが、その際、何かしら感情を動かされているように見えるのですよね。

 ナギには「変な顔してる」と言われてますし、マキに探りを入れるときにも、

 どことなく切なげな雰囲気を醸し出しているのが、どうにもアヤシイと思うのですが、さて?

 

 

 Lvlb10_p081a Lvlb10_p081b

 リコとナギ。

 リコの気持ちに気付き始めているナギ・・・

 と思いきや、それは自意識過剰だと、自分を抑えている様子。

 

 リコのナギに対する感情は、表にあふれんばかりで、気持ちなんて丸わかり。

 それは他の生徒会メンバーや、リコ母もわかっていることなのですが、

 ナギ自身は期待してしまう自分を踏みとどめて、そんなわけないと思いたがっています。

 なぜなら彼は1度、告白に失敗しているため・・・

 

 それでも、リコの感情あふれる笑顔を何度も見せられて、彼自身も迷い始めている様子。

 このあたり、「もしかして?」と期待する心と「ありえない」と否定する理性とのせめぎ合いが、

 恋愛につきまとう葛藤の描き方として、きわめて秀逸だと感じます。

 ありますよね、こーゆー感じ。

 

 一方、リコの方は、ナギのメアドがほしいとか、クッキー作るとか、エプロンで驚かそうとか、

 とにかくナギに対するアプローチに積極的で、見ていて面白いし、好感持てますよね~。

 彼のことが好きで好きでたまらない、ということが、ハッキリ伝わってきますもの。

 まあ、笑い要素も満載で、笑わせられつつも、愛嬌あって良いな~と思えます。

 ナギの課題は、過去の告白の失敗(?)を乗り越えることですが、

 リコの方は、とりあえずメアドのゲットと、文化祭での「かわいい化計画」・・・ ですかね?

 

 

 Lvlb10_p048 Lvlb10_p050

 エノとハル会長。

 メールのやりとりを通じて深まる関係。

 ハル会長のメアドをゲットしたがったり、合同会議で会えば大赤面したり、

 妙な見栄を張ってしまったりと、エノの恋模様にも色々ありましたね。

 

 彼女もリコと同じく、ハル会長への好意があふれんばかりではありますけど、

 今の所、彼に通じている様子はなく、1人で一喜一憂しているあたり、まだまだかな、と。

 それでも、メールを通じたやりとりで、親密さを増している風なのは良いことであります。

 また、クッキー作りでは、自分の手で作らなければ意味がないと考えているあたり、

 めんどくさくはありますけど、何と言うか、乙女心を感じられて、可愛らしかったかも?

 

 

 Lvlb10_p012 Lvlb10_p023

 サヨ&ユウ、スズ&レン。

 他、サヨとユウくんの話では、皆からいじられて、根掘り葉掘り聞きだされそうになったり、

 まさかのおまけ4コマで、愉快な展開になっていたのが、楽しかったですね~。

 何だかんだで、ユウくんのことを考えているっぽいサヨが良いです。

 

 そして、スズとレンくんは、「見つめ合う」訓練とかしていて大笑いでしたよ!

 いや、レンの「見つめ合おーぜ」のセリフって、普通に考えると面白すぎでしょ!!

 とはいえ、レンがスズのことを気づかっていることは、よく伝わってきましたし、

 この2人の関係も、深まって来ていると言えるのでしょうかね。  

 

 

 

【その他いろいろ】

 Lvlb10_p079

 リコ&ナギの過去話。

 連載で読んだときに気付けなかったのは不徳の至りですが、

 8巻でのナギの発言の真相が、このエピソードで判明しています。(宮原先生のツイート

 なるほど、昔のお前みたいなこと・・・ ですね。

 

 

 Lvlb10_p091_2  Manga_time_sp_2013_12_p011

 「誰かのため」ではなく、「自分が何をしたいのか」・・・ について。

 マキとヤン、2人について気になることが、もう1点。

 この10巻では、エノ誕生日のサプライズの際、

 エノ兄が「エノのため」ではなく、「自分がエノの笑顔を見たい」という動機で

 動いているのだと考えている場面がありました。

 

 このことについては連載時に感想を書きましたけど、

 つまりエノ兄の発言は、エノに恩着せがましく責任を押し付けるのではなく、

 責任の所在を己に置くことで、その行為を自分が引き受ける覚悟を示しているのですね。

 

 それは9巻で、リコの受験勉強を助けるときの、ヤンの考え方にも通じています。

 リコが祖父のために藤女受験をめざすのではなく、自分が何をしたいのかという

 彼女の動機を知って、協力することを決めたというのは、

 まさに「誰かのため」ではなく、「自分がどうしたいのか」に基準を置いた考え方であり、

 ヤンはそのことを尊重する性格であるということを感じさせます。

 

 この巻でヤンは、マキのことを「人のことでいつも必死」と評しています。

 一応肯定的に評価してはいるようですが、彼の考え方からすると、

 このマキの性格は、2人の関係に影響を与えそうな気がするのですよね。

 どういった方向性でかはわかりませんけども、ちょっと注目しておきたい所です。

 

 

 Lvlb10_p110_2

 追加シーン。

 連載時になかった場面は、終盤のマキとヤンのやりとりでした。

 110ページ後半からは、すべて追加シーンとなっていて、

 クッキーを渡してからのヤンの感想と、それに対するマキの反応にニヤニヤし通し!

 そして、マキ⇒ヤン、リコ⇒ナギという、2組のクッキー手渡しの対比が、

 おまけ4コマで描かれていたのも、面白かったですね~。

 

 などなど、文化祭へ向けた準備が進む藤女と南中生徒会。

 3年生を主役にするという話や、リコ可愛い化計画などをからめつつ、

 いったい何が起きるのか・・・ 期待しつつ、今後も楽しみです!

 

 

 

【まんがタイムスペシャル 連載時感想】

 2013年 9月号 リコの悩みと、ヤンの気づき

 2013年10月号 のどに違和感を覚えるマキ

 2013年11月号 見つめ合おーぜ

 まんがタイム 2013年11月号 エノ誕生日サプライズ

 2013年12月号 エノ誕生日サプライズの舞台裏

 2014年 1月号 彼のメアドがほしい

 2014年 2月号 南中へ行こう

 2014年 3月号 生徒会合同会議

 2014年 4月号 ヤンの失態、マキの拒絶

 まんがタイム 2013年10月号 リコとナギ過去話、リレー編

 2014年 5月号 エプロンは恋の戦闘服

 2014年 6月号 露出魔疑惑はクッキーで挽回

 2014年 7月号 彼にクッキーを

 

 


最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは!いつも感想楽しみにしております!待... (ナオ)
2014-09-12 00:42:57
こんにちは!いつも感想楽しみにしております!待ちにまった10巻は大好きなヤンマキ要素がたくさんで嬉しい限りでした。わたしも主さまと同じくヤンはリコのこと好きなんじゃないかなあ…と思ってしまいます。とゆーか、そうであって欲しい。マキには申し訳ないけど!恋の甘い部分だけじゃなくて、苦い部分も描いてほしいなぁ…と!文化祭を機にヤンマキもナギリコも何か進展があるんでしょうかねぇ。続きが気になって仕方ないです。これからも恋愛ラボの感想楽しみにしてます!
返信する
ナオさん、コメントありがとうございます! (67)
2014-09-13 05:40:45
ナオさん、コメントありがとうございます!

ヤンマキ表紙で、この2人が中心だった10巻でしたけど、
ようやくマキの方が相手を強く意識するようにはなったものの、
ヤンの方はまだよくわからない感じで、どうなることか…

おそらく1度は苦い経験があるかもしれませんけど、
それで終わりにならないのではないかな~と思っています。
最終的には、良い方向へ向かうのだろうな~と。

そのあたりにも注目しつつ、どうなってゆくのか、楽しみです
返信する
管理人さま。感想をいつも楽しく拝見させて頂いて... (河合僧)
2014-09-30 19:10:00
管理人さま。感想をいつも楽しく拝見させて頂いてます。ヤンがリコを無自覚ながら好きだった。というのは、私も同感です。マキもヤンも未だ自身の感情に「無自覚」なのですよね。この子達は、相手側の思考はほぼ理解していると私は思うのですが???。
しかし、自己の表出に不器用さをもつ二人が自身の感情を「自覚」した時に周囲を含め、どのように変化するのか楽しみです。動きはまだまだゆったりしていそうですので、管理人さまの続きの感想を楽しみに致しております。
返信する
申し遅れましたが、単行本を買うに際して、貴重な... (河合僧)
2014-09-30 19:13:14
申し遅れましたが、単行本を買うに際して、貴重な情報を賜りまして、ありがとうございます。特典を頂き、お得感も増でした。
返信する
河合僧さん、コメントありがとうございます! (67)
2014-10-02 05:32:17
河合僧さん、コメントありがとうございます!

> 二人が自身の感情を「自覚」した時に周囲を含め、どのように変化するのか楽しみです。

まさに、これですね。
わりとゆっくりめの進行かと思いますが、恋の嵐は突然に
なんてことも言いますし、「自覚」後の2人に期待したい所。

特典の方は、宮原先生のブログでも
他書店様の情報と共に載っていましたね。私はZINで買いました~。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。