まんがタイムきらら 11月号増刊
今回の「シビれちゃったで賞」は、『Good night ! Angel』より、ゆりっぺさん!
いつもは、あたふたしていて少し頼りなさげ・・・と思っていた彼女が、本気モードでGO!!
それまであやめさんに振り回され、翻弄されていただけに、このシーンは鳥肌モノでした。
何より目つきが違う! ふだん頼りない人がいざと言うときは・・・という展開は燃えますね。
●メラン・コリー (西瓜割 先生)
スイカ人間あらわる・・・なお話。
海水浴に来た4人組が、買ったスイカでスイカ割りしとったら、スイカの下に人間ついてた。
というところから始まった本作品。 何を言ってるかわからねーと思うが以下略。
よくわかんない状況の中、4人組の1人・庄豆亜民さんの家に居候することになったスイカ。
名前もメラン・コリーなんてシャレた(?)名前つけられてますけど、
亜民さんの友達・佳乃さんから「働け」と言われて、ガクブル状態になってしまいました。
ということで今回は、「働きたくない」って言って家出したスイカ1匹・メラさんのお話。
・・・でもさ、スイカ取り外し可能だとすると、「スイカ」としてのアイデンティティ喪失なんじゃ?
まあしかし、働きたくないわりには、けっこうバイトしちゃったり、
それにはちゃんとした理由があったりと、メラさんの良い所もみれたお話だった気がします。
この作品は、スイカ人間というワケわからん存在の面白さはもちろんですが、
それに加えてドライな感覚といいますか、関係性を突き放したような登場人物たちの
行動そのものが、面白味につながっているように感じます。
居候先の亜民さんも、イイ子なのだけど天然系のちょっとした残酷さを持っていますし、
佳乃さんは普通にスイカ人間をオモチャのように扱うし、杏さんは自由人だしで、
唯一の良心は、頼れるおねーさん的存在の光さんくらいなのだから、メラさんも大変です。
まあ、メラさん自身がウザっぽい性格なのも問題ですけど(^^;
あと、コント的なノリが楽しいですね。
ラストの亜民さんの行動とか、佳乃さんのヒドイ仕打ちとか・・・
村上春樹先生の小説 『国境の南、太陽の西』を思い出したのは、私だけじゃないはずです。
・・・「南」と「西」にしか、意味ありませんけどねッ!
そんな感じで面白い作品ですよ、スイカ。 噛めば噛むほど味が出そうです。
今後も、赤い汁たらしながら味わいたいと思います!
●前から2両目 (name 先生)
女子高生な三葉さんと百合さん。
メガネの三葉さんは女性が好きで、通学のための電車内(← ここが重要らしい)で、
「名前も知らない電車の彼女」をウォッチするのが定番になっています(^^;
そんな三葉さんの友達・百合さんは、名前負け(?)してごく普通にイケメン・アイドル好き。
三葉さんに振り回されつつも、彼女を制御する苦労人っぽいポジション・・・やや天然かも。
そうした2人のなんともない日常をえがく4コマ作品です。
今回は、水泳部見学な2人・・・なので、水着姿の女子に目がくらむ三葉さんが面白(´▽`;)
でも寒さを紛らわすため、他の女子とひっつくことに照れている彼女は、けっこう純だよね。
この作品は、女子好きな三葉さんの視点と面白さを軸に、
百合さんがツッコミ入れたり抑えをきかせたりするやりとりが楽しいわけですが、
三葉さん視点で感じられる、ある種のフェティシズム的感覚も楽しめる要素になっています。
今回も、着替えをする女子の脚・膝・背中となぞるような3コマの描き方は、お見事でした。
そんな女子好き・三葉さんの視点が面白味となっている本作品。
それが、さまざまな日常の場面と重なることで、少し雰囲気ある楽しさに
つながっているように感じられます。 そんなポイント中心に、今後も楽しみです!
●るーてぃんルーティン (パインパ 先生)
ネットで知り合った3人の、オフでの出来事。
チャットが大好きなフリーターのみどりさん。
よくチャットで会話する仲のリンさん(♀)とプラッペさん(♂)を誘って、オフ会を決行!
その目的は、リンさんの「男嫌い」をなおそうというものだったのでした・・・と始まる物語。
とはいえ、3人とも初対面・・・というか、初めはみどりさんとプラッペさんだけで食事でした。
ネットでは饒舌に話せるのに、リアルだとうまく話が続かない。
そんな感覚がもどかしくも、ありそう~という感じで面白かったですね。
前回は、ミステリーサークル見に行ったり、積極的にネットを飛び出しているのもよいです。
そして今回は、リン&プラッペの模擬カップルでアンカースレ企画!!
ネット掲示板の人たちに指示を出してもらい、その指示通りに行動し、実況するというアレ。
これがコミュニケーション苦手な人たちの精一杯のがんばりで、楽しく仕上がっていました。
リンさん可愛いし、プラッペさんはドライなようで気をつかう人だし、みどりさん面白いし(^^;
などなど、ネットとリアルの境目で出会った3人の物語。
リンさんの男嫌いがなおるかどうかが軸になっていますけど、
3人の関係がここからどう発展してゆくのか、それぞれの自己意識はどこへ向かうのか、
今後も楽しみです!
●ルンルルコミュニケーション (さがら梨々 先生)
とあるアパートの変な住人たちを描く4コマ作品。
中学生になったばかりで1人暮らしを始めているルンルルさん。
メイド姿な管理人さんのみりんさん、「いやみなひきこもり」のゼオさん、
低血圧でいろいろナゾの“姫”さんなどなど、ひとクセありそうな人物たちが大勢登場。
今回も、新たな住人さんが出てきて、アパートに旋風を巻き起こしたりしていました。
漫画家の吉祥寺ミント先生。
なんでも前世の魂に入れ替わっては、おかしな言動をくり返すというデンパ・・・
もとい個性的なお方でありました。 外見は可愛らしいお嬢様なんですけどね(^^;
そんな風に、妙ちくりんなことをして日々をすごす住人たちの様子が楽しい雰囲気。
“姫”は、第1話の落書きトーストがお気に入ったようで、何よりです(^◇^;)
しかし、ゼオさんですらタジタジにさせられるミント先生の行動は、なかなか楽しかったかも。
そんな感じで、おもしろ住人たちのドタバタ日常、今後も楽しみです!
●Seed (双三ヒロ 先生)
不思議なセカイでくりひろげられる、不思議で騒がしい日常。
やたらと自然が無秩序に発達している地球に暮らす少女・杏(キョウ)。
「移動」する“生きている学校”を探し回って、ようやく登校したりと、その日常も楽じゃない?
また、月世界では静女さんとキリィちゃんがいろいろやっていたりと、
その世界観がまだよくつかめないカオスな状況。 月と地球は行き来がない・・・?
妙な巨大生物がいっぱいいたり、変な機械人間が出てきたり、ハチャメチャだけど面白い!
今回は、委員長が「休校」だけど1人はイヤだからと、雨の中かけずり回って、
キョウさん家にかけ込むお話でありました。 なんか色々大変で、涙を誘いますね(;;)
また、月世界でも謎の機械人間から、何か情報が得られそうという展開にワクワク。
この謎多き不思議な世界観と、それを強調するかのような個性的な絵柄が印象的な作品。
正直、はじめはややとっつきにくいと思っていたのですが、読めば読むほど
「これから何があるのだろう?」と気になって仕方なくなるように思えてきます。
ハマれば、かなり面白味を感じられそうな作品。
地球と月の関係と、キョウさんをはじめとする登場人物がどのようにかかわってゆくのか、
今後も楽しみです!
そのほかの作品 プチ感想
・夜森の国のソラニ (はりかも 先生)
巻頭カラー! 今回は、魔女を追いかける謎の迷い人・レミと、その相棒・ヘンゼル登場!
ソラニさんを「魔女」として追いかけまわす物騒な奴らですが、その目的は復讐。
ソラニさんが森の住人達に助けられる展開はよかったけれど、はたして魔女とは・・・?
・リリィ (小波ちま 先生)
社会授業で小高い丘に登るクミさんと友人2人・七海&心菜! かしましき女子中学生。
なんというか、ヒョウキンですよね、クミさんて(^◇^;) そんなところが楽しいのですが、
丘で出会った美人・かりんさんが登場して、なにやらありそうな展開・・・今後が楽しみです!
・good night! Angel (柊ゆたか 先生)
ゆりっぺとあやめさんの“デート”も佳境。 しかし、あやめさんの付きまといをかわしたい
ゆりっぺが、勝負を持ち出してきた彼女に条件を突きつけた! これが緊張感あってイイ。
いつも通り、あやめさんに翻弄されていたゆりっぺでしたが・・・という展開に燃えましたよ!!
・となりの魔法少女 (七葉なば 先生)
冒頭の風船とりシーンが、今回のキモ! 「そっと指先に“願い”を込めた」の言葉が良い。
あきさんを気にする2人・ケイ&ウサが尾行までしてるのがスゴイけど、あきさんの秘密に、
もう迫ってしまったのは驚きでした。 ウサさんが厳しいけれど、友達づくりスタートです!
・純粋欲求系リビどる (眉毛 先生)
男の子が女の子に守られてばかりじゃ男がすたる!・・・と考えるリヒトくん、ええ子やね~。
今回は、3人がいないときに出会った里々森ロカさんの色香に惑わされそうになる彼(^^;
新たな人物登場に、緊張感も高まりますが、リヒトくんの好きな井戸川さんの影が薄いよ?
・にじげんめのうた (川井マコト 先生)
ついに始動したハルさん! ヒロ&梅乃に頼んで、ネットで歌を披露しようとがんばります。
今まで何事にも才能がないと一歩引いていた彼女が、本気になると貪欲なのが面白い。
あと、踊りが最高でしたが、ネット上でのいさかいにつながりそうな展開に、今後期待です!
・Lisa Step! (奄美あまゆ 先生)
リサ先生、屋上でまったりすごすの巻。 もうこの先生、私は好きすぎてたまらんです、ハイ。
千鶴先生とのひとときがゆったり感あってよろしく、そこから見える景色・人々が面白い。
葵先生の水着姿とか、こあ先生の愛らしさとか、美兎先生のしっかりぶりとか、よかった~。
・びぎなーず9 (白滝キノコ 先生)
ついに動き出した野球部だったものの、投手の座をかけて勝負することになった二神さん。
相手は、経験者の霧山さん。 さすがの手ごわさだし、ウマいのだけど、人柄に問題が?
そのあたりの兼ね合いがどうなってゆくのか、これは面白くなってまいりましたよ!
ということで、「Vol.4」まで来ましたミラク。
これにて、現在連載している全作品のレビューをすませることができました。
今後、この形式で書くかどうかは未定です・・・大変なんです、これだけでも(^^;
それぞれの作品のことも、だんだんわかってきた感じで、私などはかなり楽しめています。
が、1つ気になるのは、今回どうも展開を急いでいる作品が多かったような印象で、
新人物を加えることでテコ入れをはかったり、話を大きく動かしているような気がして、
何かしらの“拙速さ”を感じずにはいられませんでした。
まあ、今回は「4コマは加速する」とあるので、加速をテーマにしている可能性もあるかな?
いろいろ気にあることもありますが、できれば長く楽しみたい作品が多い本誌。
4コマ漫画の新しい未来を切り開くキセキを起こしていただきたいとも考えておりますので、
次号も楽しみにしています!