2011年10月号
今後、定期的に感想書けなくなるかもですが、
今の所は大丈夫なので、出来るところまで何とか・・・
『それでも町は廻っている』は、「紺先輩のさいご」が描かれるミステリー巨編でした(嘘)
紺先輩が人殺しちゃって、歩鳥と共謀して死体処理するお話ですね(ォィ。 大体あってる?
二転三転する内容が面白かったのですけど、「紺先輩のさいご」がネタであることを祈る!
『アスクライブ・トゥ・ヘヴン』は、コミックス2巻が9月30日発売!! ・・・1巻、見かけない(;;)
ニードルが人間に使役される立場であることを知って驚くミニイ。 「えらそう」が基準の階級
が面白いな(^◇^;) 同室のキセキさんもイイ人っぽくてよさげ。 女子寮?生活に期待!
『球場ラヴァーズ』の「延長戦」がイイですね~。 OL兼カープファンの基町姉さん話。
お仕事、満員電車、帰宅、疲れ、サイレントに描かれるこれら表現がお見事で、実感アリ。
でもドームへ赴き、元気いっぱいにはしゃぐ姿は、まさに好きなモノへの愛情表現で素敵!
『アリョーシャ!』は、“亡命軍人”と面会するケイティ。 アリョーシャの名に反応する彼から
様々な情報を得られますが・・・ それに重なるアリョーシャ幼少時代の過酷な訓練と仕事。
ついに明らかとなった“オリジナル”の存在。 いろいろ緊張感をはらみつつ、今後が楽しみ。
『清々と』は、最近2巻までそろえました~。面白いです! 素敵な夢にまどろむ清さん。
おかげで遅刻遅刻ぅ~状態ですが、そこは“秘密兵器”を装備して、近道ダッシュ一直線!
乙女として恥ずかしいけど、遅刻して先生に嫌われたくないとか乙女・・・でもオチが(^∇^;
あと目次に載っていないのですが、『エクセル・サーガ』ががががが・・・なんぞこれェ?
コミックス27巻、10月29日発売!! なのですが、先月終わってませんでしたっけ~?
最高の慰安でございましたけど、メタ発言が面白すぎました(^^; ドリフ載ってなかったよ。
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●天にひびき (やまむらはじめ 先生)
コミックス4巻も発売された今回、美月さんの初リサイタルも無事終わって一安心。
しかし、「あれだけ弾けても収入厳しい」という話に、
こうした世界で「食っていく」ことのむずかしさを感じさせられます。
それと、美月さんが語る“辛辣な批評”への評価、
「あーいうのって色々理屈つけて書いてるけど 結局は本人の好み」
というのは、的を射ていると思いますね~。
理屈が見事だと読んでいるうちに“呑み込まれて”しまいますけど、
最終的には「自分好みか否か」を語っている部分が大きいですからね・・・
これは音楽批評だけでなく、多くの分野で言えますし、私も同じようなもんですし(^^;
それにしたって、久住くんはもっと美月さんのことを、考えてあげるべきだと思うんだな~。
一方、オケで指揮をすることになったひびきさん。
しかし久住くんは、一抹の不安を抱いているようですが・・・
そこで、梶原くんとの会話をへて、気づく自分の心とやるべきこと。
「あいつの指揮で演奏がしたい」
友田さんとの会話でも、美月さんとの会話でも、梶原くんとの会話でも、
終始ボーっとしていた久住くんに、ここで火が付いたのは面白い流れですよね。
さて、ひびきさんによる指揮。
久住くんが感じていた不安は何なのか? はたしてどうなるのか? 今後が楽しみです!
●裸者と裸者 (原作:打海文三 先生 作画:七竈アンノ 先生)
コミックス2巻、9月30日発売!!
そんな今回、白川中尉うとともに宇都宮への親書を届けるカイトたち・・・
なのだけど、宇都宮といえば反政府軍の拠点。 すなわち敵のまっただ中!?
なのに呑気に食事とか、孤児部隊の面々は生きることを楽しんでますな~(^^;
そこで、小隊長となったボリスと田崎の話題となり、昇進できなかったヨウロウが不平不満。
カイトは、「ヨウロウとエンクルマが・・・近くにいてくれるのが・・・心強い」と笑顔で述べます。
けど、これ、たぶんカイトにとっては適材適所を考えての人事なんだろうな~と感じますね。
カイトくんもずいぶん政治的な腹芸を身につけつつある?
仲間に対しても腹芸。 上に立つ者の業、とでも言うべきかな。
そして帰り道、会議の内容を知るカイト。
それは反政府軍である仙台軍・宇都宮軍との同盟!
なぜ敵と結ぶのか? すべては東京に対抗するため・・・それは戦争を終わらせる近道!!
つまり、政府軍・反政府軍の枠にかかわらず、
戦争を継続したいものと、戦争を終わらせたいものとの抗争が始まることに。
東京でも権力闘争がおっぱじまるとか、面白すぎでしょ、この展開!
白川中尉の“覚悟”もしっかり見届けることになるカイト。
解任される連隊長、新たな司令官。 戦争終結へ向けてのたしかな動き。
カイトたちの「みらい」は、そこにあるのか? 今後も楽しみです!
しかし、解任された連隊長と小野寺大佐による、目だけのやりとりがリアルだよな~。
権力闘争の結果の人事異動。 そこに交錯する感情の表現が見事すぎました(^^;
●シャンバラのお絵描きネル (水上悟志 先生)
水上先生の隔月読み切りシリーズ第2弾!
今回は、スペースコロニーでお絵描きしている少女・ネルが主役。
でも、風景を描いているはずなのに、そこにいない“生き物”もいっしょにスケッチしてしまう。
友人の誰にも見えないけれど、ネルにだけは見えているモノたち。
そんな“生き物”が見える少女のお話・・・・・・なのですが、
私はこの話を読んで、読み切り第1回の作品との関連を考えざるを得ませんでした。
と言っても、物語としてのつながりではなく、根底のテーマに共通項があるような・・・
ネルの友人の1人、トーン。
彼はコロニーの「閉鎖された空間」に不満を感じ、いつか憧れの「地球」へと考える少年。
ネルたちの住む世界は、外界から途絶して1000年もたつ世界なのです。
そうしたトーンの考えに影響されたのか、ネルは「世界の狭さ」に気付いてしまいます。
そしてそれと時を同じくして、“生き物”たちもいなくなってしまい・・・という展開。
ネルは、“生き物”たちが「狭い世界」は嫌だから、
もっと広い広い世界であるはずの「地球」へ行ってしまったのだと考えるのですが・・・・・・
ネルがふたたび“生き物”たちと再会し、自分の大切なものを取りもどす夢の中。
そこで彼女は「地球よりももっと広い世界」を知ることになり、
その結果、自分の好きなモノに迷いがないことを示すシーンが出てきます。
第1回の読み切りの時、私が感じたのは、この話は作者である水上先生が、
自身の漫画家としての覚悟を示した1編なのではないだろうか?ということでした。
そして、今回の話では主人公のネルが「絵が好き」と述べています。
「内側から湧いた気持ちや言葉」、それらを解放することに喜びを感じ、絵として表現する。
単純に決めつけるわけにはいかないかもしれませんが、私はここに漫画家・表現者としての
水上先生の想いを見た気がするのです。
この読み切りシリーズにはそうしたテーマがあるのかも?
次の読み切り作品も、そうしたテーマを含んでくるかはわかりませんが、楽しみです!
●ヘン集女王 (高内優向 先生)
コミックス1巻、9月30日発売!!
マンガ誌の編集者たち、そして漫画家先生たちの“戦い”を、面白おかしく描いた4コマ作品。
本作品の面白さの1つとして、マンガ誌事情のようなものが語られることがあります。
今回は、新人である漫画家先生たちの新連載の打ち合わせ!
平戸路さん担当の萬村先生は、ほっとくと人が死ぬ暗い話をつくってしまうネガティブさん。
おもしろそうな不思議ヒロインが、なぜか3話目で死亡するという(^^;
平戸路さんも苦労してますね~。
myo*さん担当の吾知さんもですけど、新人を担当する編集さんは苦労が多いのかな?
でも平戸路さんは、「漫画のキャラは自分の子」というところから、
うまく話をひろげて「よその子」という視点を与えていたのは見事でしたね。
これには私も、なるほどと思ってしまいましたよ。
おかげで、暗い萬村さんも「死なないネーム」をあげてくれるようになって、めでたし!
ということで、コミックス1巻が9月30日発売の本作品。
新人編集・平戸路さんの奮闘記。
編集者というお仕事に対する一定の理解を感じられる・・・かもしれない魅力がありますね。
どうしてもマンガ読者という立場だと、作者寄りの考え方に陥ってしまいがちですが、
作者先生も編集者も、双方が真剣である場合にかぎれば、どちらも尊重すべきだと、
そんな風に思える作品かもしれません。 いやホント、大変なお仕事ざんす。
しかし、この宣伝絵。 「お兄ちゃん」はないだろ、川島さん・・・歳いくつよ(ォィ
あ、いや、そうじゃなくて、私はいつものクールな川島さんの方がよいな~って。(ホントかよ)
それに別ページでは、9月7日発売の『まんがらない。』まで宣伝しとるし!
他社作品ですよ・・・ね? しかも「9日」ってなってますけど、7日ですよ・・・ね? わざと?
何はともあれ、コミックス1巻ともども、今後も楽しみです!
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
コミックス1巻発売中ー!! 「獅子の時代(全15巻)」ともども読むべし!
ドゼーと握手をかわすナポレオン。
エジプト遠征では、だれしもが無謀・過酷な“暴挙”を非難したが、
ドゼーだけはそうではなかったと述べるナポレオンは、彼を「生涯の友」とまで呼びます。
が、同時に野心がない男ドゼーに対し不信感を抱くナポレオンは、
そのことを話し、彼を問い詰めるのですが・・・
ドゼーの望みは、「他人の評価を得ること」。
元貴族であり、軍人としても行政官としても優秀な男の求めるものは、あまりにも俗!
しかし、それは決しておかしなことではない。
「兵士たちは命がけで褒められたい」
そう語るドゼーの兵士たちの心の分析は、しごく正しいものである気がします。
第1話でも語られていた「名誉」というもののとらえ方なんでしょうね。
「命を惜しむ男は馬鹿にされる それは死よりもつらかった」
現代では理解しがたいその心情こそ、まさに「名誉」というものの重みなのだと。
そんなドゼーに対し、ナポレオンという男は最高の舞台を用意できるし、
ランヌの男の嫉妬に対しても、「名誉」で“報いる”ことでその不満を抑えることができたし、
兵士たちの指揮を高揚させることができる。 このあたりの描き方がお見事でした。
そして、まさに最悪にして最高の舞台であるマレンゴの戦いへ!
油断?慢心? ナポレオンの判断ミスにより、状況はフランス軍に圧倒的不利!!
敵であるオーストリア軍の司令官メラスに対し、
「男だ」と最高の賛辞を贈らざるを得ないナポレオンの苦境は計り知れず。
このあとのセリフが、ナポレオンの虚を突かれた心情と不吉をよくあらわしていて最高です。
さて、ここからどうなるのか・・・?
もちろん、“史実”を存じている人間には、その展開は予想できるわけですが
それがどのように描かれるのか、私は楽しみで仕方ありません!