五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月のアルペジオ

2017年06月02日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2017年7月号より

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●蒼き鋼のアルペジオ (Ark Performance 先生)

 

 6月30日、コミックス14巻・発売! そんな今回、いよいよ衝突!?

 タカオさんとハルナ&キリシマさんが、正面衝突待ったなし。
 「学園祭当日に仕掛けて来ると思った」と、キリシマさんが言ってますけど、
 たしかに、402の計画ではそのはずでしたよね・・・

 にもかかわらず、ここでタカオさんが2人の前に現れたのが気になる所。
 今回、その狙いが明らかとなりますが・・・?

 

 

 

 誰が為に・・・

 キリシマさんがタカオさんに対して、「誰の指揮下で動いている?」と
 尋ねていますけど、続く「総旗艦か?」という問いにタカオさんは答えず、
 逆に「……あなた達はどうなの?」と質問を返してます。

 それにハルナさんが、「人類と霧の未来のために」と答えていたのが印象的。
 もはや霧のためだけではなく、人類も含まれていることが、頼もしいですね。

 しかし、タカオさんは感心した様子もなく、そっけなく言葉を発した後、
 いきなりハルナ&キリシマに仕掛け始めます!

 このあたり、タカオさんっぽくないと言いますか、まるで初期の彼女に戻った
 ような雰囲気を発していて、ちょっとした畏怖を覚えましたね。
 コンゴウ様のまとうような冷たい空気を感じます。

 しかも、重巡でありながら、大戦艦2人を圧倒する謎の力!
 これには「重巡クラスの計算速度で我々の固有キーの暗号を破れるわけが・・・」と、
 キリシマさんも驚愕していて、あり得ないことが起こっていると察せられます。

 やはり、タカオさんに総旗艦の演算能力が付与されているということでしょうか。
 それとも、もっと別の・・・?

 

 

 

 そして、謎空間へ・・・

 タカオによって無力化されたハルナさんは、そのまま見知らぬ場所へ。
 何が起こったのかと周りを見渡すと、そこには千早群像の姿が!?

 ベンチに座る群像とハルナ。
 そこへやって来たのは杏平くんですが、群像が「橿原くん」と呼んでいることから、
 まだ海に出る前どころか、親しくなる前の2人だとわかります。

 しかし、ハルナさんはなぜ、こんな所へ“飛ばされた”のか?
 飛ばしたのがタカオさん、もしくはその裏にいる者の思惑だとして、
 いったい何の意味があるのか、群像と杏平2人の会話共々、気になる所でした。

 

 

 

 2人の会話を聞かされるハルナさん。

 この場所では、群像も杏平くんもハルナさんを認識しておらず、
 ゆえにハルナさんも、「何者かの記憶」を見せられていると考えています。

 だとすると、その「記憶」の持ち主は誰なのか?
 そして、なぜそれをハルナに見せているのか?
 といったことに注目せざるを得ません。

 無論、「記憶」の持ち主がタカオさんであるはずはなく、
 以前タカオさんに流れ込んでいた「記憶」関連のものであると思われます。

 ならば、やはり総旗艦・コトノさんの「記憶」である可能性が高い?
 しかし、この場に琴乃さんはおらず、彼女の記憶の共有というわけでもなさそう。
 このあたりは、まだまだ謎が多く、判断が難しい所ですね。

 では、目的は何なのか?
 ハルナに、群像という人間について知ってほしいという意図がありそう。
 「人類と霧の未来のため」という点で2人は共通しているので、可能性高いかも。

 などと考えてしまいますが、真相は霧の中。
 それでも何者かが、この場面を演出しているのですから、意味は深そうです。

 

 

 

 群像と杏平。

 まだ知り合ったばかりの2人の関係。
 群像のグループに入れるほど優秀ではないと自覚し、エリート嫌いな杏平くんが、
 なぜ群像たちと行動を共にすることになったのか、何となくわかりましたね。

 水雷関係で、ずば抜けた実力をもつ杏平くん。
 群像ですらその分野では敵わないと言わしめるほどですから、相当なものでしょう。

 だからこそ杏平くんが必要なのだと、自分の側へ引き入れようとする群像。
 その口説き方が潔くて、ちょっと惚れ惚れしちゃいましたよ・・・

 そして、口説かれた杏平くんが群像に尋ねたのは、未来のこと。
 自分たちが「技術を継承するためだけ」に学院に通っていることを憂い、
 何かできることはないかと、若い血潮をたぎらせていたのは、興味深い所でした。

 今は使わないとはいえ、技術を継承することも大事なことではありますが、
 若者にとって、何かをなしたいと考えるのは当然でもあります。

 

 

 

 群像の答え・・・

 杏平くんの質問に「必ず海に出る」と答え、続けて「失われ物を取り戻す」と
 群像にしては珍しい昂りを感じさせる雰囲気で述べていました。

 この「失われた物」には、海や人類の繁栄はもちろん、父親に関する事柄も
 含まれていそうですね。

 そして、群像が独り言のようにつぶやいた言葉に、ハルナさんが食いついた所で、
 この「記憶」の空間は終了とばかりに、ハルナさんは引き戻されて行っています。

 人も霧も、迷いの中にいる。
 両者はその点で同じということに、ハルナさんは興味を掻き立てられたようですが、
 はたして、この「記憶」を見せられた彼女は、何を思うのか・・・

 また、この「記憶」を見せた者の狙いは何なのか?
 諸々が気になりつつ、今後も楽しみです!

 

 

 

 今月のアド探~!

 今回は、コンゴウ様とチョウカイさん2人の進行ということもあってか、
 いたってマジメな内容が中心になっておりました。

 “霧”が地上の情報を得ていたのは、主に上陸したメンタルモデルから。
 タカオさんや402(ほとんど後者)からの情報が役立っているようですが、
 それ以前では401、つまりイオナさんからの情報もあった様子。

 ただ、“霧”を抜けた後も情報をアップロードしていたというのは不可解で、
 情報のほとんどが学園に関する生徒個人のものというから、チョウカイさんも
 「あまり役に立たない」と述べています。

 しかし、イオナも何かしらの意図をもってアップロードしていたと考えると、
 もしかして「個人」という概念を、“霧”にもたらしていた可能性はあるかも。
 「個」の意識に乏しかった頃の“霧”に、浸透させる狙いがあったとか・・・?

 それはともかく、コンゴウ様に学園へ行くことを勧めるチョウカイさん。
 「気分転換」「暇潰し」と言ってますけど、余裕をもつよう諭すあたり、
 真面目な提案っぽくはあります。

 コンゴウ様も乗り気でしたけど、これってもしかして、群像を独り占めするための
 チョウカイさんの策略なんじゃないの? と考えた私は疑り深いでしょうか(^^;

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想