歴史散歩:谷中のお墓
谷中を散歩して気が付くことはお彼岸は特別に心を慰めさせてくれる。お花を見るとどこでも、いつでも心が和む。谷中にはお花屋さんがたくさんあり、墓石には綺麗な花々が捧げられている。半世紀近く日本を離れていたのでお墓の散策は歴史の瞥見でもあり、新しい発
見でもある。
最後の将軍であった徳川慶喜の墓も外国に比べれば質素なものだし、自由民権思想を歌ったオッペケペー節で1世を風靡した川上音二郎(1864-1911年)の銅像は台座のみが残っている。
その横の立て札に「権利幸福嫌いな人に/自由湯をば呑ませたい/堅いかみしも角とれて/マンテルズボンに人力車/粋な束髪ボンネット/貴女や紳士のいでたちで/うわべの飾りは立派だが/政治の思想が欠乏だ/天地の紳士がわからない/心に自由の種をまけ/オッペケペ/オッペケペ/オッペケペッポ/ぺッポッポ」
この歌は明治時代の中頃、民衆の喝采を浴び大流行したとたというから痛快なことだ。銅像は戦時中金属の供出でとりはずされている。
また高橋お伝(1850~1879年)の墓もある。惚れた男性が借金返しを頼んだ高利貸しが
”金は貸すがお伝[彼女)を一夜かせ”といわれ一夜を明かす。その朝 ”金はかせねえ”といわれ、お伝は剃刀で高利貸の喉を裂き日本最後の斬首刑に処せられた毒婦と言われた女性だ。
仮名垣魯文の小説や歌舞伎、映画にもなりミデアを騒がせたことで有名になった。彼らの寄付で谷中にお墓が出来たのだからお伝は救われている。
とにかくお墓は自分で建てたり、誰かに建てられたり、その時代の語り部でもある。しかし時代を経て苔むしり、お墓そのものも消えていき忘れさられいく。このたびの東日本大地震でたくさんの墓石が無残に倒れてていた。
江戸の浮世絵師・鈴木春信のモデルとなった江戸3大美貌の笠森お仙のお墓にもお花がそなえてあった。
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東日本大地震でも自分の手で自立できる人たちのものつくりのエネルギーに感動させられたことと思います。
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ホームスパン:03-5738-3310 原、稲船まで