小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「ニューヨークのボタニカル ガーデンで日本の菊展」

2007-10-25 23:15:11 | ニューヨーク暮らしの日々

 一年間、手塩をかけて咲かせる日本の花・菊
 日本文化の象徴・日本の菊のアート展がニューヨークのボタニカル
ガーデンで10月20日から11月18日まで新宿御苑の協力で開催
されている。

 菊の会場入り口には草月流家元の三代目、勅使河原宏に師事し
独立したアーチスト、川名哲紀氏の竹のアートワークで日本に誘わ
れていく。太い青竹の先を細く切り込んだ作品が、ヴィクトリアン時
代のガラスのドームと不思議と美しく融和し、細割にした竹が風で
揺れている。その青竹はジョージア州に自生する竹だと聞いて、是
も素敵な文化交流だと感無量になった。

 ニューヨークに来る前の昔。四谷の駅から慶応病院へ抜ける坂道
を下ったところと、四谷3丁目から信濃町へ抜ける道と交差する三角
州にあるアパートに住んでいた。そのアパートは陛下が新宿御苑行
幸時にだけ開かれる門の向側にあった。菊と新宿御苑は私の青春
時代を思い起こさせる。父も菊好きで生前、秋の行事の菊花展には
毎年出品し賞もとっていた。一年係りの愛情をかけて美しい花を咲か
せる努力を知っている。そして40年以上を経た今、新宿御苑から来
た菊展をニューヨークで見、こうして書いている事も不思議な思いに
浸っている。

 ニューヨークのボタニカル ガーデンはで世界でも秀逸な植物の
コレクションがあるばかりでなく、造園の美しさ、植物学、園芸関係の
教育、サイエンス研究などで知られている。
 創立は1891年。毎年世界中から80万人の訪問者があり、ニュー
ヨーク市に約200万ドルの利益を還元している。また過去16年間で
包括的な優秀なプログラムにより、500万ドルの資金を集めている。
熱帯植物、亜熱帯植物、、砂漠の植物、肉食植物、水中植物など百
万種類の植物を持ち、温度調節したプールもある。また、昔のニュー
ヨークを偲ばせる手を加えていない50エーカーの自然の森もある。
 世界最大の規模を誇る園芸関係のサイエンチストを養成する教育
機関でもあり、今までに博士号をとった人は166人にも及ぶ。
 
 菊の展覧会はラジオでは毎日のスケジュールが紹介され、新聞で
も紹介され、誇らしい事に主に日本の企業がスポンサーをしている。
 主なスポンサ-は
三菱インターナショナル、キャノンUSA, 三井USA, 住友アメリカ, トヨタ
モーター 北アメリカ Inc など。
そのほか東京銀行、伊藤忠インターナショナル、ジャパンファンデーシ
ョン、丸紅アメリカ、みずほ銀行、野村証券アメリカ、US-ジャパンファ
ンデーションなど多くの日本関係が協力している。

 違う文化をプロモーションするには、知らせたいと願う国の情熱と努
力がお互いに必要であること、ボタニカルガーデンから頂いたブロッ
シュアからも読み取れ、成功した文化交流だと思った。

 
参考:
http://www.nybg.org