小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「アメリカンフォークアート美術館ラグ展・続」

2007-06-09 05:59:43 | フックド・ラグ

ラグ再考:家があったところにはアートがあった.
 
ニューヨークタイムスに1ページをさいてフックド・ラグの記事が掲載
された。アメリカでも女性の針仕事や手作業がニュースになる事はな
かったが1991年, 私が企画した「アメリカが日本のキルトに及ぼした
影響・メイド イン ジャパン」展がキルトの記事としてはじめてニュー
ヨークタイムス 1ページで報道されたときはアメリカ人から ”でかした!
今まで一度もニューヨークタイムスが取り上げなかったキルトにフォー
カスを当ててくれて有難う」 といわれた。
 
 あれから15年の月日がたった。
本日、1面に扱われたフックドラグの記事を見て感慨にふけっている。
嬉しい事は価値観が変わっても150年も前の女性たちは認められる
か否かを考えずに創作したことである。無名の人たちが、現在の消
費社会では想像も出来ない貧しい暮らしの中でテーブルを、ベッドを、
床を飾り、創作を続け無名のままでこの世を去った。

 多くの人たちが作った事ではラグもキルトと同じ様にアメリカの社会
現象となった。家を美しくする事はアメリカン・ドリームの伝統である。
整理整頓は、アメリカ人のマネージメントの誇りである。いまでも家中
見せてくれるのは、暮らし方の創造と努力を見てもらいたいと誇らしく
思っているからである。

 ただ作るだけでなく、創作欲の発露としてトレーニングのない人たち
も暮らしを築く事に努力していた事を、アメリカの手作りから学びたいと
思う。何をどう作るか、もの作りの価値を再考する扉が開かれてきて
いる。
 私がアメリカの手作りに感動するのは、考えて作るそれぞれの動機
に心を打たれるからである。

アップリケ カーペット:1860年頃メイン州作者不明112”x158”
ウール、未使用、アメリカンフォークアート美術館蔵 

American Folk Art Museum, 45 West 53 Street New York 110019
 (近代美術館の隣り)www.folkartmuseum.org  tel: 212-265-1040
[The Great American Cover Up:American Rugs on Beds,Tables,
and Floors.] 2007年 6月5日~9月9日まで

参考:ラグ材料
  www.ny-apple.comのクリエイティビティのコラムの中の材料店
をク リック。
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