フックド・ラグ:「アメリカン クリエイティビティ」再評価
ジョナサン ホールスタインのコレクション、”キルトに見るアメリカ
の現代的デザイン”展が70年代の初めウイットーニー美術館で開か
れるまでは、アメリカ人でアメリカの手作りを評価する人は本当に少
なかったのです。たかが女性の針仕事という理由で無視され、その
創造性を評価する人は極小でした。ひとたびミデアが評価しだすと
”すごい!”と皆が思うのは残念ながら何処の国も同じようです。
それまでのキルトは雨が降ると自転車を覆い、引越しの家具をくるみ、
ピクニックの時、草の上にひかれたりしていました。アンティック屋で
キルトがきれいに洗濯され、展示しながら売られるようになったのは
80年代の出来事です。現在はそのキルトも姿を消し、商品というより
アート作品に昇格しています。美術館でも展示後は少なくとも5ヵ年
は布地保存のために倉庫に眠ります。
ラグも同じように床から壁へと昇格、キルト以上に高価になりまし
た。ラグは自由表現ですから絵画と同じく創造性を楽しめます。
布地が絵の具ですから布地の違いで思わぬ効果も楽しめます。
美術館でのラグ展は今回が2度目、初日から大人気です。
写真上はアーキテクチャー ダイジェストに最近2万5千ドルで売られ
たとニュースになった19世紀のフックド・ラグです。
ラグもキルトと同じ時代に作られたアメリカの暮らしを代表するクラフ
トです。職場もなく、手作りが暮らしを支えていた頃のアメリカ女性たち
のエネルギーは150年を経て古いデザインをリピート、アレンジするだ
けではなく、新しいタイプのアーチストがたくさん生まています。
次回は最近作家の作品を紹介いたしましょう。
[The Great American Cover Up: American Rugs on Beds,Tables,
and Floors.] 2007年 6月5日~9月9日まで
American Folk Art Museum, 45 West 53 Street New York 110019
(近代美術館隣り)ww.folkartmuseum.org tel: 212-265-1040
www.ny-apple.comのクリエイティビティのコラムの中の材料店を参照.
1)東京=ホームスパン:℡:03-5738-3310 umi@aurora.dti.ne.jp
2)北海道地区=グリーングラス:℡:090-3890-8457
y.m.takeo@gamma.ocn.ne.jp