朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

背割堤の桜並木

2015-04-07 | 京都の文化(春)
京都と大阪の間にある、河川の合流点の堤防にソメイヨシノ桜の名所があります。



好天だった4月2日に見物に出かけました。最寄り駅は京阪電車八幡市。



これは木津川。右手の「背割堤」のさらに右向こうに、桂川が流れていて、合流して淀川になります。



堤防の上、1,4キロメートルにわたって桜の大木が並んでいました。



多くの人が思い思いに散策しています。飲食の持ち込みも、むしろやシート、日除けテントの持ち込みも自由なので、有名公園や寺社の桜見物のような硬苦しさはなく、のびのびと子供が遊んだり、家族や仲間と弁当を食べたりしていました。



川向うの丘の上には、岩清水八幡宮があります。

徒然草第52段には、こう書かれています:

”仁和寺(にんなじ)にある法師、年寄るまで、石清水を拝まざりければ、心うく覚えて、ある時思ひ立ちて、たゞひとり、徒歩(かち)よりまうでけり。極樂寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。さて、かたへの人にあひて、「年比(としごろ)思ひつること、果たし侍(はべ)りぬ。聞きしにも過ぎて、尊くこそおはしけれ。そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず」と言ひける。
 すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり”

・・徒然草では、仁和寺の僧侶のとぼけた様子が、アイロニカルに題材にされていますね。


この河川合流地は、豊臣秀吉が(本能寺で謀反を起こして織田信長を殺害し政権を取った)明智光秀と対峙した「天王山」の古戦場でもあります。秀吉の情報収集能力、判断力そして機敏な反撃力に対して、光秀の防御武力が劣っていたことと、その背景には政治力の点でも不足していて味方を増やせなかったとこが敗因です。

天王山の麓にはサントリーのウイスキー工場「山崎」もあります。

中世、近世の歴史が一杯につまっている桜の名所でした。
コメント
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